子どもの大学費用を、親のNISAで積み立てておき、大学に入るときにまとめて渡す。そう考えたとき、贈与税はかかるのかと疑問に思ったことはありませんか。
証券会社で資産運用のご提案をしていた経験からお伝えすると、NISAで非課税になるのは運用で得た利益であり、家族にお金を渡すときの贈与税とは別の話です。ここでは、NISAで積み立てたお金を子どもに渡す方法によって、贈与税がどう変わるのかを整理します。
私立大学と国立大学の4年間の学費を例に、18歳で一括で渡す場合、学費を都度払う場合、毎年少しずつ渡す場合の贈与税を試算しました。
※大学の学費は、文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果」の私立大学の平均と、国立大学の標準額をもとにしています。
NISAで積み立てたお金を子どもに渡すと贈与税はかかる?NISAが非課税にするのは運用益で、贈与税は別にかかる
NISAは、口座の中で得た値上がり益や配当金に税金がかからない制度です。口座を開いた本人の資産なので、親のNISAで積み立てたお金を売って子どもに渡すと、親から子への贈与になります。
国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」によると、贈与税は1年間(1月1日から12月31日まで)にもらった財産の合計から基礎控除の110万円を引いた額にかかります。1年間にもらった額が110万円以下なら、贈与税はかかりません。
- 【NISAの非課税】口座の中の値上がり益・配当金に税金がかからない
- 【贈与税の基礎控除】1年間に110万円まで(もらう人ごと)
- 【110万円を超えた分】国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」の税率で計算
子どもの大学費用をNISAから18歳で一括で渡すと贈与税はいくら?私立大学4年分の約480万円なら約45.5万円、国立大学なら約13.3万円
大学4年間の学費を、子どもが18歳になった年に一括で渡した場合の贈与税を計算しました。18歳以上の子が親からもらう財産には、税率が低めの「特例税率」が使えます。
- 【私立大学・4年分 約480.3万円】贈与税 約45.5万円(特例税率)
- 【国立大学・4年分 約242.5万円】贈与税 約13.3万円(特例税率)
- 【私立大学・受け取る年の1月1日にまだ17歳の場合】贈与税 約49.0万円(一般税率)
特例税率は、もらう年の1月1日に18歳以上であることが条件です。大学に入る前の1月から3月に受け取る場合でも、早生まれの子はその年の1月1日にまだ17歳のことがあり、そのときは一般税率になって、私立大学の場合は約3.5万円多くなります。高校3年の年内に受け取る場合も、その年の1月1日の年齢で判定します。
※試算の前提:私立大学は授業料96万8069円・施設設備費17万2550円を4年分、入学料24万365円を1回分で合計480万2841円。国立大学は授業料53万5800円を4年分、入学料28万2000円で合計242万5200円。積み立てた元本だけを渡すものとし、値上がり益は含めていません。
例)大学4年間の学費を子に渡す場合 渡し方別の贈与税(2026年10月時点)
SMBC日興証券(旧日興コーディアル証券)出身。証券外務員一種保有。富裕層や法人に向けた資産運用コンサルティングに従事。現在は株式会社モニクルリサーチにて、複数のWebメディアで金融記事の企画・執筆・監修を行う。