例)100万円を1年間持った場合の信託報酬の目安
たとえば、100万円分を1年間持ち続け、平均の率をそのままあてはめると、投資先が国内のもので2700円、内外・海外のもので3400円になります(筆者の計算)。
- 保有額:100万円(1年間持ち続けた場合)
- 投資先が国内のもの(平均0.27%):2700円
- 投資先が内外・海外のもの(平均0.34%):3400円
例)100万円を1年間持った場合の信託報酬の目安(平均の率をあてはめた筆者の計算)
実際には、基準価額の動きで保有額は毎日変わりますし、率も商品ごとに違います。この計算は、費用がどのくらいになるかを思い描くための、おおまかな目安です。
わが家の保有額と、商品の書類に書かれた率を使って、同じように計算してみるとよいでしょう。金額にしてみると、率だけを見ていたときよりも、費用の大きさを身近に感じられるはずです。
【わが家の商品で確かめる】交付目論見書と交付運用報告書で、信託報酬を見ておく
平均がわかったら、わが家で積み立てている商品の信託報酬を確かめてみましょう。書類の見る場所を知っておくと、思ったより手間はかかりません。
まず、交付目論見書の「手続・手数料等」を見る
資産運用業協会「目論見書」によると、投資信託説明書(交付目論見書)には、購入時の手数料や、持っている間にかかる運用管理費用(信託報酬)などの費用が、「手続・手数料等」に書かれています。まず、積み立てている商品の交付目論見書を開き、信託報酬の率を書き出しましょう。
交付目論見書は、投資信託を購入する前に必ず投資家に渡される書類です。積立を始めたときに受け取ったまま、しまい込んでいる人もいるかもしれません。手元に見当たらないときは、金融機関の取引画面などで確かめてみるとよいでしょう。
書き出すときは、商品の名前を略さずに書いておきましょう。似た名前の商品もあるため、あとで探すときに迷わずにすみます。
次に、交付運用報告書の「1万口当たりの費用明細」を見る
次に、商品を持っている人に交付される交付運用報告書を見てみましょう。資産運用業協会「運用報告書」では、交付運用報告書の運用経過の説明に「1万口当たりの費用明細」が示されると説明されています。
運用報告書には、受益者に必ず交付される交付運用報告書と、運用報告書(全体版)があります。全体版は、運用会社のホームページなどで閲覧できる場合があり、請求すれば必ず交付してもらえると説明されています。
目論見書で率を、運用報告書で実際の期間の費用を見ておくと、持っている間にかかる費用の様子がつかみやすくなるでしょう。
そして、商品の名前と率をメモに残す
そして、商品の名前、信託報酬の率、確かめた日付を同じメモに並べておきましょう。信託報酬は変わることもあるため、年に1度など時期を決めて見直すと、変化にも気づきやすくなります。
見直す日は、家族の誕生日や年末など、覚えやすい日に決めておくと続けやすいでしょう。メモは同じノートやファイルにまとめ、毎年同じ形で書き足していきましょう。
夫婦それぞれが口座を持っている場合は、2人の商品を並べて書き出すと、家計全体でどのくらいの費用がかかっているのかを考える手がかりになりそうです。
メモには、目論見書で見た率と、運用報告書で見た費用を、同じ行に並べておくとよいでしょう。数字が別々の場所にあると、あとで見比べるときに手間がかかります。
商品を変えるかどうかは、費用だけで決めない
信託報酬の率を知ると、率の低い商品に変えたくなることもあるかもしれません。ただ、商品を変えると、投資する地域や資産の組み合わせも変わることがあります。
費用は大切な手がかりのひとつですが、わが家がお金を使う時期や、値動きへの考え方と合っているかもあわせて考えたいところです。家族とも話し合いながら、無理なく続けられる積立にしていきましょう。
まとめにかえて
つみたて投資枠の指定インデックス投資信託の信託報酬率は、2026年10月23日時点の平均で、投資先が国内のもので0.27%、内外・海外のもので0.34%でした。
平均の率は、わが家の商品を見直すときの物差しのひとつです。平均の率と並べながら、何に投資していて、どのような費用がかかるのかを、書類で一つずつ見ていきましょう。
信託報酬は、持っている間ずっとかかる費用です。商品を選ぶときも見直すときも、率だけで決めず、わが家がお金を使う時期や値動きへの考え方とあわせて考えたいところです。来年の積立をどう続けるかを考えるときにも、この見方が役立つはずです。
免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の投資信託の購入や売却について助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 投資判断は最新の交付目論見書や月次レポートなどをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 投資信託の基準価額や組入比率、信託報酬などは変動・変更される可能性があるため、必ず運用会社の公式サイトでご確認ください。
野村證券株式会社出身。FP2級・証券外務員一種を保有。野村證券株式会社出身。国内外株式、投資信託、債券、保険商品まで幅広い資産運用に精通。現在は株式会社モニクルリサーチが運営する複数のWebメディアで、証券会社での実務経験を踏まえ、貯蓄からNISAの活用まで幅広いテーマをコンテンツで取り扱う。