勤め先の健康保険に入ったら、国民健康保険をやめる届出を
国民健康保険に入っていたパートの人が勤め先の健康保険に加入しても、国民健康保険は自動ではやめられません。自分で市区町村に届け出る手続きが必要です。
届出は14日以内
国民健康保険法施行規則では、勤め先の健康保険に入って国民健康保険の資格がなくなったとき、世帯主が14日以内に市区町村へ届け出ると定められています。届出には、新しく入った健康保険の名前や加入した日が分かるものが必要です。
必要な書類は市区町村ごとに異なります。たとえば世田谷区では、加入先の資格情報のお知らせや資格取得証明書、マイナポータルの画面などを例に挙げています。
国民健康保険料は月単位で計算し直す
国民健康保険料は月単位で計算されます。たとえば札幌市北区では、国民健康保険をやめたときの保険料は、やめた月の前月分まで納めると案内しています。
届出をすると保険料が計算し直され、払い過ぎがあればあとで戻ってきます。勤め先の健康保険料は給与から差し引かれるので、届出が済むまでの間に2つの保険料を払い続けることのないようにしたいところです。
届出が遅れたとき
世田谷区の案内では、届出が遅れると国民健康保険料の請求が続き、督促状が届いてしまうこともあります。手続きが遅れて変更できる期間を過ぎると、払い過ぎた保険料が戻らない場合もあるのです。
また、勤め先の健康保険に入ったあとに国民健康保険の資格確認書などで受診すると、区が負担した医療費を返すことになるとも書かれています。
週20時間に近づいたら確かめたい3つのこと
シフトが増えて週20時間に近づいてきたら、次の3つを順に確かめてみてください。
労働条件通知書の所定労働時間
まずは、契約で決めた所定労働時間を見ます。月単位で書かれていれば、52/12で割って週に直すと、週20時間との差が分かります。
直近2か月の実際の労働時間
次に、給与明細や勤怠の記録で、実際の労働時間が2か月続けて週20時間以上になっていないかを確かめます。その後も続きそうなら、勤め先の担当者に加入の扱いを聞いておきましょう。
それまでの健康保険の手続き
加入する日が決まったら、それまでの健康保険の手続きも忘れずに行います。国民健康保険に入っていた人は市区町村の窓口へ、家族の健康保険の扶養に入っていた人は家族の勤め先を通じて手続きをします。
まとめにかえて
2026年10月に月額8.8万円の賃金の要件がなくなり、パートが勤め先の健康保険・厚生年金保険に入るかどうかは、主に週20時間の所定労働時間で決まるようになりました。契約が週20時間未満でも、実際に週20時間以上働く月が2か月続き、その後も続く見込みなら3か月目から加入します。
国民健康保険に入っていた人は、勤め先の健康保険に入ったら14日以内に市区町村へ届け出ると、保険料の精算もスムーズです。迷ったときは、勤め先の担当者や年金事務所、お住まいの市区町村の国民健康保険の窓口で確かめてみてください。
地方公務員・保険代理店出身。証券外務員二種保有。自治体で国民健康保険の賦課や高額療養費、退職に伴う年金切り替え等の実務に従事。複雑な社会保障制度に精通し、現在は株式会社モニクルリサーチが運営する複数のWebメディアで年金・貯蓄・退職金等の情報を発信。