旧NISAの一般NISAで2023年に買った株や投資信託を、期限が来たら新NISAへ移管できるのか、気になっている人もいるのではないでしょうか。旧NISAの一般NISAで買った分は新NISAへ移管できず、非課税期間は5年なので、2023年に買った分は2027年末、2022年に買った分は2026年12月末で終わります。
証券会社で富裕層・法人のお客さまの資産運用のコンサルティングをしていた経験からお伝えすると、期限のある口座では、期限の時点の値段によって選べる道と税金の重さが変わります。ここでは、期限が来たときの仕組みを金融庁と国税庁の資料で確かめます。
そのうえで、2023年の一般NISAの1口座あたりの平均の買付額にあたる約62.2万円をもとに、期限に値上がりしていた場合と値下がりしていた場合に分けて、期限までに売る・課税口座に移す・売って新NISAで買い直すの3つで、税金がどう変わるかを試算します。
※約62.2万円は、金融庁「NISA口座の利用状況調査(2023年12月末時点(確報値))」の一般NISAの2023年の利用枠の買付額(約3兆5410億円)を、2023年に投資枠を利用した一般NISA口座の数(約569.1万口座)で割ったものです。
旧NISAから新NISAへ移管はできる?一般NISAはできず、2023年に買った分は2027年末で非課税期間が終わる
旧NISAから新NISAへの移管(ロールオーバー)はできません。金融庁「2023年までのNISA」によると、2023年末までに一般NISAとつみたてNISAで買った商品は、2024年からのNISAの非課税保有限度額(1800万円)とは別の外枠で管理され、それぞれの非課税期間が終わるまで非課税のまま持ち続けられます。
- 【一般NISAの非課税期間】買った年から5年間(年間の投資枠は120万円)
- 【2022年に買った分】2026年12月末まで
- 【2023年に買った分】2027年12月末まで(一般NISAで最後の年の分)
- 【期限が来たら】期限までに売るか、期限のあとに課税口座(特定口座か一般口座)へ払い出すかのどちらか
新NISAへ移管できないため、期限のあとも同じ商品を非課税で持ち続ける方法はありません。なお、つみたてNISAの非課税期間は20年なので、2023年に買った分も2042年まで続きます。
旧NISAの株が課税口座へ移管されると取得価額は?期限の時点の時価になり、買値との差の損は税金の計算で使えない
旧NISAの株や投資信託が期限のあとに課税口座へ移管されると、取得価額は買ったときの値段ではなく、非課税期間が終わったときの時価になります。国税庁の資料では、取得価額は「5年を経過した日における終値に相当する金額」と書かれています。
- 【課税口座での取得価額】非課税期間が終わったときの時価(終値)
- 【NISA口座で出た損】ないものとみなされ、特定口座や一般口座の利益との損益通算・繰越控除はできない
- 【課税口座で売ったときの税率】20.315%(所得税15%と復興特別所得税、住民税5%)
つまり、期限の時点で値下がりしていると、もとの買値との差の損は税金の計算で使えず、課税口座ではその下がった値段から利益を数え直すことになります。反対に値上がりしていれば、期限までの値上がり益は非課税のまま、課税口座の取得価額も上がります。
SMBC日興証券(旧日興コーディアル証券)出身。証券外務員一種保有。富裕層や法人に向けた資産運用コンサルティングに従事。現在は株式会社モニクルリサーチにて、複数のWebメディアで金融記事の企画・執筆・監修を行う。