【元証券会社員の視点】検証:旧NISAの期限は「税金がかかるか」より「どの値段から数え直すか」で考える
試算で見えるのは、旧NISAの期限で差が出るのは税率そのものより、課税口座でどの値段から利益を数え直すかだという点です。値上がりしていれば、期限までの約49.9万円の値上がり益は、3つのどれを選んでも非課税のまま確定します。
値下がりしていた場合は事情が変わります。約51.1万円から買値の約62.2万円まで戻るには約21.6%の値上がりが必要で、TOPIXの10年の年率約8.2%で戻るとしても約2.5年かかる計算です。その戻りの分が、課税口座では利益として扱われます。
証券会社で資産運用のコンサルティングをしていた頃も、期限のある運用では「同じ商品を持ち続けたいか」と「新NISAの枠をどれだけ使えるか」の2つを分けて見ると、選び方を整理しやすくなります。売って新NISAで買い直す方法は、枠を使う代わりに、その後の値上がり益を非課税にできます。
ただし、売ってから買い直すまでの間にも値段は動きますし、売買の手数料などがかかる商品もあります。新NISAの枠を、ほかの商品の積み立てに使う予定がある人もいるでしょう。売った分の枠が翌年に戻る仕組みはありますが、その年の年間投資枠は使った分だけ減ります。
どの選び方がよいかは、保有している商品、期限の時点の値段、新NISAの使い方によって変わります。期限が来てから慌てないよう、2027年末より前に一度、旧NISAの口座の評価額と買値を見比べておくとよいでしょう。
まとめ
旧NISAの一般NISAで買った分は新NISAへ移管できず、2023年に買った分は2027年末、2022年に買った分は2026年12月末で非課税期間が終わります。期限までに売らなければ課税口座に移り、そのときの時価が新しい取得価額になります。
値上がりしていればどの選び方でも期限までの値上がり益は非課税のままですが、値下がりしていると、課税口座では買値に戻っただけで税金がかかることがあります。期限までに売る・課税口座に移す・売って新NISAで買い直すの3つを、ご自身の保有状況と新NISAの枠の使い方に照らして考えてみてはいかがでしょうか。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の取得価額や税額は、保有している商品や口座の種類によって変わります。手続きや取扱いは、口座のある金融機関や国税庁の資料でご確認ください。
免責事項
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SMBC日興証券(旧日興コーディアル証券)出身。証券外務員一種保有。富裕層や法人に向けた資産運用コンサルティングに従事。現在は株式会社モニクルリサーチにて、複数のWebメディアで金融記事の企画・執筆・監修を行う。