上限額で満額もらう場合の総額は、90日分で67万500円、150日分で136万6500円、330日分で300万6300円
日額の上限に所定給付日数を掛けると、受け取れる総額の天井が見えてきます。30歳未満で一般の離職者の90日、45歳以上60歳未満で一般の離職者の150日、同じ年齢で特定受給資格者の330日を例に試算しました。
失業保険の総額はいくらが上限?令和8年8月の日額上限で満額もらった場合を、90日・150日・330日で試算
場面ごとの上限額での総額の試算
- 30歳未満・一般の離職者(被保険者期間1年以上10年未満):日額の上限7450円×90日で67万500円
- 45〜59歳・一般の離職者(20年以上):日額の上限9110円×150日で136万6500円
- 45〜59歳・特定受給資格者(20年以上):日額の上限9110円×330日で300万6300円
※試算の前提:日額の上限を毎日受け取り、所定給付日数の日数分を受け取る場合の最大額です。実際の日額は賃金日額で決まるため、上限に届かない人もいて、給付制限などで受け取る時期も変わります。
4週間(28日)あたりでみると、日額の上限7450円なら20万8600円、9110円なら25万5080円です。失業の認定は原則4週に1度なので、1回の認定で受け取る額の天井の目安になります。
受給できる期間は離職の翌日から原則1年で、病気などで働けないときは延長を申請できる
基本手当を受けられる期間は、原則として離職の翌日から1年間です。所定給付日数が330日の人は1年と30日、360日の人は1年と60日です。この期間を過ぎると、日数が残っていても受け取れません。
病気、けが、妊娠、出産、育児などで、引き続き30日以上働けなくなったときは、働けない日数の分だけ、受給期間を延長できます。延長できるのは最長3年間で、住所を管轄するハローワークに申請します。
4週に1度の失業の認定では、原則2回以上の求職活動の実績が必要で、不正受給は返還と上乗せの納付を命じられる
失業の認定は、原則として4週に1度、指定された日にハローワークへ行って受けます。認定対象期間中に、原則2回以上の求職活動の実績が必要です。最初の認定日の対象期間は、原則として1回です。
求職活動には、求人への応募や、ハローワークの職業相談・職業紹介、各種のセミナーの受講などがあります。求人情報を見るだけでは、求職活動に含まれません。
求職活動の実績がないのに虚偽の申告をしたり、アルバイトや内職をしたのに申告しなかったりすると、不正受給になります。以後の支給が止まるほか、返還を命じられ、原則として、不正に受けた額の2倍以下の納付も命じられます。
まとめ
- 失業保険は、失業の状態にあり、離職の日以前の2年間に被保険者期間が12か月以上ある人が受け取れます(倒産・解雇などは1年間に6か月以上)
- 離職票を持ってハローワークで求職の申込みをし、受給資格の決定、受給説明会、原則4週に1度の失業の認定へと進みます
- 待期は7日で、自己都合の離職は退職日が令和7年4月1日以降なら原則1か月の給付制限があります
- 所定給付日数は90日から360日で、令和8年8月1日現在の日額の上限は7450円から9110円です
- 上限額で満額もらう場合の総額は、90日分で67万500円、330日分で300万6300円です
失業保険は、退職の理由と加入期間で、もらえる日数も始まる時期も変わります。まず離職票の離職理由と、被保険者期間を確認してみてください。
この記事は、令和8年10月27日時点のハローワークと厚生労働省の公表資料に基づく整理です。制度は変わることがあり、個別の受給の可否や金額は、管轄のハローワークで確認が必要です。
【編集者の視点】
総額の試算では、同じ日額の上限9110円でも、所定給付日数が150日か330日かで、総額は約2.2倍になりました。日額の上限は年齢で決まりますが、総額を大きく左右するのは、離職の理由と被保険者期間による日数です。
ただ、これは上限額で満額もらう場合の天井で、実際の日額は、賃金日額のおよそ50〜80%で決まります。まずは自分の離職票で離職理由を確認し、ハローワークで日数と日額を決めてもらうことが、見通しを立てる近道です。
【検証】試算から見えること:日額の上限より、離職理由と加入期間による日数の差が大きい
日額の上限は、令和8年8月1日から30歳未満で7450円、45歳以上60歳未満で9110円になりました。年齢区分による差は、最大でも1日1660円です。
一方、所定給付日数は、一般の離職者の90日から、特定受給資格者の330日まで、大きく開きます。上限額で試算すると、90日分は67万500円、330日分は300万6300円でした。
この差を生むのは、離職の理由と被保険者期間です。同じ45歳以上60歳未満で被保険者期間が20年以上でも、一般の離職者は150日、特定受給資格者は330日で、総額は約2.2倍になります。
離職の理由は、ハローワークが判断します。離職票の記載に納得できない場合は、ハローワークに相談できるため、離職理由の確認は、金額の見通しにもつながる手続きと考えられます。
なお、試算は上限額を毎日受け取る前提です。実際の日額は、賃金日額のおよそ50〜80%で決まります。受給の可否や金額は、ハローワークが決定します。
【編集者の視点】
失業保険は、辞めてから調べ始めると、待期や給付制限の分だけ、手元にお金が入るまでに時間がかかります。離職票が届く前から、条件を確認しておくと、慌てずに済みます。
ただ、離職の理由や加入期間は、人によって事情が違います。制度の運用は変わることがあるため、決める前に、管轄のハローワークで確認してください。
※本記事は、編集部がハローワークと厚生労働省が公表する公式の最新一次資料を直接確認の上、執筆・検証しています。
よくある質問
Q. 自己都合で辞めても、失業保険はもらえますか?
A. 条件を満たせば、受け取れます。離職の日以前の2年間に被保険者期間が12か月以上あり、失業の状態にあることが条件です。待期7日のあと、退職日が令和7年4月1日以降なら原則1か月の給付制限があります。
Q. 失業保険は、辞めた翌日からもらえますか?
A. もらえません。ハローワークで求職の申込みをしたあと、失業の状態にある7日間(待期)は支給されません。自己都合の場合は、さらに給付制限があります。
Q. 退職後すぐに働けない事情があるときは、どうなりますか?
A. 病気、けが、妊娠、出産、育児などで引き続き30日以上働けない場合は、受給期間を延長できます。延長できるのは最長3年間で、住所を管轄するハローワークに申請します。
Q. 日額の上限が変わった日はいつですか?
A. 令和8年8月1日です。厚生労働省は、令和8年7月31日に変更を発表しました。年齢区分ごとの上限は、30歳未満が7450円、30歳以上45歳未満が8270円、45歳以上60歳未満が9110円、60歳以上65歳未満が7830円です。
元厚労省担当の専門紙の新聞記者。公的社会保障(年金・医療・介護)やNISA・iDeCoを横断分析。難解な一次データを生活者視点に翻訳し、知っておきたい家計防衛の知見と、安全で実用的な情報を提供。