年金と生活保護を両方受ける人の7割超は配偶者がいない
年金額のほかに、世帯の形にも特徴があります。同じ調査から、年金を受け取りながら生活保護を受けている約48万6000人の配偶者の有無を見てみましょう。
- 配偶者あり:10万2100人(21.0%)
- 配偶者なし:36万2600人(74.6%)
- うち単身:31万6100人(65.1%)
配偶者のいない人が74.6%と、全体の7割を超えています。そのうち単身世帯の人だけで65.1%を占め、生活保護を受けている年金受給者のおよそ3人に2人がひとり暮らしという結果でした。
※ 割合は人数(千人単位)をもとに編集部が算出。配偶者の有無が不詳の人がいるため、合計は100%になりません
ひとり暮らしは家計の余裕が生まれにくい
夫婦で暮らしていれば、2人分の年金を合わせて家計をやりくりできます。家賃や光熱費のように、人数が増えても2倍にはならない支出を分け合えるのも利点です。
一方でひとり暮らしの場合は、1人分の年金で住まいの費用も含めたすべての支出をまかなう必要があります。配偶者を亡くしたり離婚したりして単身になると、それまでの家計が成り立たなくなることもあるのです。
年金額には男女で大きな差がある
年金額を左右するもうひとつの要素が、男女の違いです。生活保護を受けているかどうかにかかわらず、年金受給者全体の平均年金額を男女別に比べてみます。
生活保護を受けている人の平均年金額は、男性が年75万7000円、女性が年58万3000円
受給者全体の男女差
受給者全体では、男性の平均年金額が年192万6000円なのに対し、女性は年120万7000円でした。月に直すと男性が約16万500円、女性が約10万600円で、6万円ほどの開きがあります。
配偶者のいない人に絞ると、男性が年171万4000円、女性が年145万2000円です。配偶者のいる人も含めた全体ほどではないものの、男女の差は残っています。
生活保護を受けている人の男女差
生活保護を受けている人に限ると、男性の平均は年75万7000円(月約6万3100円)、女性は年58万3000円(月約4万8600円)です。女性は月5万円を下回っており、人数も男性の20万7100人に対して27万8800人と多くなっています。
老齢基礎年金は保険料を納めた月数で、老齢厚生年金は働いていたときの給与と加入期間で額が決まります。結婚や出産を機に仕事を離れたり、短い時間で働いたりする女性が多かった時代の働き方が、いまの年金額の差につながっていると考えられます。
共働きの世帯が増えた現在では、男女の差は少しずつ縮まっていくとみられます。とはいえ、働き方による年金額の個人差はこれからも続くでしょう。
地方公務員・保険代理店出身。証券外務員二種保有。自治体で国民健康保険の賦課や高額療養費、退職に伴う年金切り替え等の実務に従事。複雑な社会保障制度に精通し、現在は株式会社モニクルリサーチが運営する複数のWebメディアで年金・貯蓄・退職金等の情報を発信。