受給中に6か月の訓練を受けると総額いくら?所定給付日数90日の人は210日分で約126万円、約2.3倍
基本手当日額6013円で、自己都合などで離職し所定給付日数が90日の人を例に、3つの場合の総額を試算しました。雇用保険法第22条では、算定基礎期間が10年未満の一般の離職者の所定給付日数は90日です。
受給中に6か月の公共職業訓練を受けると、基本手当は訓練を受けない場合の約2.3倍になります
- 【訓練を受けない(90日)】約54万1170円
- 【受給中に6か月の公共職業訓練(210日)】約126万2730円
- 【受給終了後に6か月の求職者支援訓練】約114万1170円
受給中に訓練を受ける場合は、基本手当を30日分受けたあと、残り60日の時点で6か月(180日)の公共職業訓練が始まると置きました。訓練の180日はすべて基本手当の対象になるため、受け取る日数は90日から210日に増えます。
受給終了後に求職者支援訓練を受ける場合は、90日分の基本手当54万1170円に、6か月分の職業訓練受講給付金60万円が加わります。ただし、給付金の収入・資産の要件を満たすことが前提で、訓練が終わるまでの期間も、次の開講を待つ日数を除いて2か月ほど長くなります。
※試算の前提:基本手当日額6013円(厚生労働省が示す賃金日額9000円・60歳未満の例)、所定給付日数90日。待期と給付制限の期間、受講手当・通所手当、訓練終了後の就職は考えていません。受給中の訓練は受講指示を受けた場合です。
訓練延長給付を受けるには受講指示が必要、受講手当は上限2万円
訓練延長給付は、ハローワークの所長が指示した訓練を受けることが前提です。受講指示を受けられるかどうかは、訓練の開始時期と基本手当の支給残日数などで決まるため、受給中に訓練を考えたら、申し込む前にハローワークで確認しておくことが欠かせません。
受講指示を受けて公共職業訓練を受ける人には、基本手当とは別に技能習得手当が出ます。ハローワーク「基本手当について」によると、次のとおりです。
- 【受講手当】日額500円、上限2万円
- 【通所手当】通所方法によって月4万2500円まで
- 【寄宿手当】月1万700円(家族と別居して寄宿する場合)
受講手当を上限まで受けると、試算の約126万2730円に2万円が加わり、約128万2730円になります。通所手当は通う方法や距離で変わるため、試算には含めていません。
月10万円か基本手当かは、受け取る額より「いつ訓練を始めるか」で差がつく
行政の取材をしていた経験からお伝えすると、給付の額を比べるときは、月額だけでなく何日分、何か月分を受け取れるかまで並べて読むことが欠かせません。今回の試算でも、日額は同じ6013円のまま、受け取る日数が90日から210日に変わることで総額が約2.3倍になりました。
求職者支援制度の月10万円は、雇用保険を受けられない人や受給を終えた人の、訓練期間中の生活を支えるための給付です。基本手当を受けている人の訓練延長給付とは、対象者も仕組みも異なります。
基本手当を受けている人にとっては、受給中に受講指示を受けて訓練を始めるか、受給を終えてから求職者支援訓練を受けるかで、受け取る額と時期が変わります。試算では、受給中に訓練を始めた方が約12万円多く、訓練も早く終わりました。
ただし、求職者支援訓練と公共職業訓練では、コースの内容や開講時期が異なります。受けたい訓練がどちらの制度で用意されているかもあわせて確かめておくと、選びやすくなります。
職業訓練中の給付は失業手当の有無で別の制度、受給中なら受講指示の確認が先
職業訓練中の月10万円は、雇用保険の基本手当を受けられない人や受給を終えた人向けの職業訓練受講給付金です。基本手当を受けている人は、受講指示を受けて公共職業訓練を受けると、訓練が終わるまで基本手当が続き、日額6013円・90日の例では総額約126万円になります。
どちらの制度を使えるかは、基本手当の受給状況や収入・資産、訓練の開始時期で決まります。訓練を考え始めたら、早めに住まいを管轄するハローワークで相談しておきましょう。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の基本手当日額や所定給付日数、訓練延長給付の可否は離職理由や離職前の賃金、訓練の開始時期によって異なるため、ハローワークでご確認ください。
元厚労省担当の専門紙の新聞記者。公的社会保障(年金・医療・介護)やNISA・iDeCoを横断分析。難解な一次データを生活者視点に翻訳し、知っておきたい家計防衛の知見と、安全で実用的な情報を提供。