ナビプラマネー
厚生年金で平均水準の「月15万円以上」を受け取る人は49.8%。男性と女性では大きな差も
years44/shutterstock.com
公的年金

厚生年金で平均水準の「月15万円以上」を受け取る人は49.8%。男性と女性では大きな差も

厚生年金で平均水準の「月15万円以上」を受け取る人は49.8%。男性と女性では大きな差も
years44/shutterstock.com

老後の年金について「みんなはどのくらい受け取っているのだろう」と気になったことはありませんか。平均額はよく耳にしますが、自分がその平均より上なのか下なのかまでは、なかなか分からないものです。

厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(第1号)の老齢年金を受け取る人の平均年金月額は15万289円でした。ただし、平均以上を受け取っている人が全体の半分いるとは限りません。

この記事では、厚生年金の月額の分布をもとに、平均水準の「月15万円以上」を受け取る人が何%いるのかを男女全体と男女別に確かめます。あわせて、2026年9月から送付されている2027年分の「扶養親族等申告書」の基準額についても紹介します。

厚生年金は公的年金の「2階部分」にあたる

日本の公的年金は、すべての人が加入する国民年金を土台に、会社員や公務員が加入する厚生年金が上に乗る形になっています。この形から、公的年金はよく「2階建て」にたとえられます。

公的年金は、国民年金(1階)の上に会社員・公務員の厚生年金(2階)が乗る2階建て

公的年金は、国民年金(1階)の上に会社員・公務員の厚生年金(2階)が乗る2階建て
出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」をもとにナビプラマネー編集部作成
公的年金の2階建て構造

国民年金(1階部分)

  • 加入する人:日本国内に住む20歳以上60歳未満の人は原則として全員
  • 保険料:加入者全員が同じ額で、年度ごとに改定される(※1)
  • 年金額:480カ月すべて保険料を納めると、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取れる(※2)。納めていない期間があれば、その分だけ少なくなる

※1 2026年度の国民年金保険料は月額1万7920円
※2 2026年度の老齢基礎年金の満額は月額7万608円(1956年(昭和31年)4月1日以前生まれの人は月額7万408円)

厚生年金(2階部分)

  • 加入する人:会社員や公務員など
  • 保険料:給与や賞与の額に応じて決まる(上限あり)
  • 年金額:加入していた期間と、その間の給与・賞与の額で決まり、国民年金に上乗せして支給される

国民年金の保険料は、収入にかかわらず加入者全員が同じ額です。これに対して厚生年金は、毎月の給与や賞与に決められた保険料率をかけて保険料を計算するため、給与や賞与が多い人ほど納める額も多くなります。

納める保険料の差は、受け取る年金額の差にもつながります。国民年金だけに加入していた期間が長いのか、厚生年金に加入していた期間が長いのかによって、老後の年金額は大きく変わるのです。

【男女全体】厚生年金の平均以上を受け取る人は何%か

では、実際に厚生年金を受け取っている人の金額はどのように散らばっているのでしょうか。ここでは、2025年3月末時点の厚生年金(第1号)の老齢年金の受給権者について、月額の分布を見ていきます。

平均年金月額は15万289円

先ほどの「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、男女全体の平均年金月額は15万289円です。なお、この金額には1階部分の老齢基礎年金も含まれています。

年金はふつう2カ月に1度、2カ月分がまとめて振り込まれます。平均額で考えると、1回の支給日に約30万円が入る計算です。

厚生年金を月15万円以上受け取る人は、男女全体で49.8%と半分に届かない

厚生年金を月15万円以上受け取る人は、男女全体で49.8%と半分に届かない
厚生年金の年金月額の分布(男女全体)

月額ごとの受給権者数(男女全体)

  • 1万円未満:4万3399人
  • 1万円以上2万円未満:1万4137人
  • 2万円以上3万円未満:3万5397人
  • 3万円以上4万円未満:6万8210人
  • 4万円以上5万円未満:7万6692人
  • 5万円以上6万円未満:10万8447人
  • 6万円以上7万円未満:31万5106人
  • 7万円以上8万円未満:57万8950人
  • 8万円以上9万円未満:80万2179人
  • 9万円以上10万円未満:101万1457人
  • 10万円以上11万円未満:111万2828人
  • 11万円以上12万円未満:107万1485人
  • 12万円以上13万円未満:97万9155人
  • 13万円以上14万円未満:92万3506人
  • 14万円以上15万円未満:92万9264人
  • 15万円以上16万円未満:96万5035人
  • 16万円以上17万円未満:100万1322人
  • 17万円以上18万円未満:103万1951人
  • 18万円以上19万円未満:102万6888人
  • 19万円以上20万円未満:96万2615人
  • 20万円以上21万円未満:85万3591人
  • 21万円以上22万円未満:70万4633人
  • 22万円以上23万円未満:52万3958人
  • 23万円以上24万円未満:35万4人
  • 24万円以上25万円未満:23万211人
  • 25万円以上26万円未満:15万796人
  • 26万円以上27万円未満:9万4667人
  • 27万円以上28万円未満:5万5083人
  • 28万円以上29万円未満:3万289人
  • 29万円以上30万円未満:1万5158人
  • 30万円以上:1万9283人

平均以上は49.8%

受給権者1608万5696人のうち、月15万円以上を受け取っている人は801万5484人です。割合にすると49.8%で、平均水準を上回る人は半分にわずかに届きません。

分布の両端も見ておきましょう。月10万円未満の人は19.0%、月20万円以上の人は18.8%で、上と下にほぼ同じくらいの人がいます。

なお、ここで数えているのは厚生年金を受け取る権利がある人だけです。国民年金だけを受け取っている人まで含めれば、月15万円以上の人の割合はさらに小さくなります。

太田 彩子
ナビプラマネー編集部記者株式会社モニクルリサーチ

関連タグ