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高配当株の配当金、NISAならいくら残る?平均利回りで1200万円なら年約27.1万円が非課税、特定口座では約5.5万円の税金

配当金を確定申告すると国保料はどうなる?所得税は約4.2万円戻るが、国保料・介護保険料が約5.4万円増える

大田区「国民健康保険料計算方法」によると、特定口座の配当金は、申告しなければ国民健康保険料の計算に含まれず、確定申告すると含まれます。そこで、年金生活で国民健康保険に入っている人が、特定口座で受け取った配当金年約27.1万円を申告した場合を試算しました。

  • 【申告しない】国民健康保険料 年約10.8万円、介護保険料 年約8.7万円。配当金の税金は差し引かれたまま
  • 【総合課税で申告】所得税 年約4.2万円が戻る。国民健康保険料は年約15.0万円(約4.2万円増)、介護保険料は年約9.9万円(約1.2万円増)
  • 【所得税・住民税の合計(配当金の分を含む)】申告しない 年約8.9万円、総合課税 年約4.8万円、申告分離課税 年約8.4万円
  • 【差し引き】総合課税で申告すると、申告しない場合より負担が年約1.3万円増える
  • 【申告分離課税で申告】配当金にかかる税率は申告しない場合と同じ20.315%。国民健康保険料・介護保険料が約5.4万円増え、住民税は少し減るため、負担は年約4.9万円増える

総合課税では、配当金を年金と合わせて所得税を計算します。この例では、基礎控除や社会保険料控除を差し引くと所得税がかからないため、配当金から差し引かれていた所得税が戻ります。一方で、配当金が所得に加わることで国民健康保険料の所得割が増え、均等割の2割軽減も受けられなくなります。介護保険料も、所得の段階が1つ上がりました。

※試算の前提:65~74歳、単身、東京都大田区。年金は厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」の厚生年金(第1号)男子の平均年金月額(16万9967円)、ほかの所得はなし。

※国民健康保険料は大田区の令和8年度の料率(医療分・後期高齢者支援金分・子ども・子育て支援金分の合計で所得割10.58%、均等割6万7073円。65歳以上は国保の介護分がなく、介護保険料を別に納める)、介護保険料は大田区の第9期の段階。所得税は2026年分(基礎控除104万円)で計算しています。

※2026年の配当金を申告した場合に増えるのは2027年度の保険料ですが、2027年度以降の料率や段階は決まっていないため、2026年度のもので計算しています。

配当金と後期高齢者医療はどうなる?申告しなくても保険料に反映する法律が成立し、反映は2029年8月からの案

2026年6月に公布された「健康保険法等の一部を改正する法律」では、75歳以上の方などが入る後期高齢者医療で、上場株式の配当などの金融所得を保険料や窓口負担割合の判定に反映する仕組みが設けられました。

  • 【しくみ】金融機関などが税務署に出している書類(法定調書)を、後期高齢者医療広域連合にもオンラインで出す
  • 【時期の案】オンラインでの提出の義務化は2029年1月、保険料・窓口負担への最初の反映は2029年8月(2026年10月の社会保障審議会医療保険部会の資料)
  • 【国民健康保険・介護保険】今回の法律の対象ではない。国会では、金融所得の反映を検討すべきとの指摘があった

反映が始まると、75歳以上では、特定口座の配当金を申告しなくても保険料などの判定に含まれるようになります。NISAの配当金は非課税のため、この見直しの対象にはなりません。

【検証】試算から見えること:配当金の手取りは、税金だけでなく「入っている保険」で変わる

今回の試算からは、3つのことが読み取れます。1つは、NISAと特定口座の差は、税金の年約5.5万円だけではないことです。NISAの配当金は所得に数えないため、国民健康保険料や介護保険料の計算にも入りません。

2つ目は、特定口座の配当金を確定申告すると、税金が戻っても、保険料の増え方の方が大きくなる場合があることです。今回の例では、総合課税で所得税約4.2万円が戻った一方、国民健康保険料と介護保険料は約5.4万円増えました。

ただし、会社員などが入る健康保険(協会けんぽや健康保険組合)の保険料は、給与をもとに決まります。配当金を確定申告しても保険料は変わらないため、同じ申告でも結果は入っている保険によって違います。

3つ目は、住民税の扱いです。以前は所得税は申告し、住民税は申告しないという選び方ができましたが、2024年度分からは所得税と住民税で同じ方式になりました。所得税で申告すると、その配当金は住民税や保険料の計算にも含まれます。

配当金の受け取り方を考えるときは、NISAの枠に入れる株と特定口座で持つ株を分け、特定口座の分は申告するかどうかを、税金と保険料の両方で比べてみると判断しやすくなります。

まとめ

高配当株の配当金は、NISAなら税金がかからず、特定口座では20.315%が差し引かれます。プライム市場の平均利回り2.26%で1200万円分の株を持つと、配当金は年約27.1万円で、特定口座では年約5.5万円の税金がかかります。

特定口座の配当金を確定申告すると、税金が戻る一方で、国民健康保険料や介護保険料が増えることがあります。75歳以上の後期高齢者医療では、申告しなくても配当金を保険料に反映する見直しも決まっています。配当金の受け取り方は、税金と保険料をあわせて確かめておきましょう。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の配当金は、銘柄、株価、配当額によって大きく変わり、減配や株価の値下がりもあります。税金や保険料は、年金額やほかの所得、住んでいる自治体、家族構成、制度改正などにより異なります。税金は税務署、保険料はお住まいの市区町村でご確認ください。

免責事項

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の金融商品や銘柄の購入・売却について助言や推奨するものではありません。
  • 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
  • 投資や確定申告の判断は、国税庁や金融庁、お住まいの市区町村、各金融機関の最新の情報などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • NISAや税金、国民健康保険料・介護保険料の制度や料率は変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
安達 さやか
ナビプラマネー編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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