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【10月から変わった年金の天引き】介護保険料・住民税はなぜ10月に変わる?介護保険料の基準額は全国平均で月6225円
Wako Megumi/istockphoto.com
公的年金

【10月から変わった年金の天引き】介護保険料・住民税はなぜ10月に変わる?介護保険料の基準額は全国平均で月6225円

年金振込通知書の天引きの欄の見方

【10月から変わった年金の天引き】介護保険料・住民税はなぜ10月に変わる?介護保険料の基準額は全国平均で月6225円
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10月15日に振り込まれた年金を見て、8月までと比べて手取りが変わったと感じた人もいるのではないでしょうか。年金の金額そのものは4月分から変わっていないのに振込額が違うときは、年金から差し引かれる保険料や税金が変わったことが考えられます。日本年金機構は2026年10月2日、10月から介護保険料などの天引きの金額が変わり、年金の振込額が変わる人へ年金振込通知書を送っていると案内しました。次の支給日の12月15日にも、10月と同じしくみで計算された介護保険料や住民税が差し引かれます。

年金から天引きされる介護保険料や住民税は、年度の前半と後半で決まり方が違います。本記事では、なぜ10月に天引きの金額が変わるのかを、日本年金機構の案内と法律の決まりから確かめます。

記事の後半では、介護保険料と後期高齢者医療保険料の全国の平均、年金振込通知書の天引きの欄の見方、天引きをやめられるかどうかを解説します。

【10月から変わった年金の天引き】介護保険料・住民税はなぜ10月に変わる?

まずは、介護保険料と住民税が、年金からどのように差し引かれているのかを見ていきましょう。

介護保険料=その年度の保険料が10月の年金から反映される

日本年金機構の年金Q&Aによると、介護保険料は市区町村がその年の金額を決め、それが10月に支払われる年金からの天引きに反映されるしくみです。このため、天引きされる保険料は10月から変わる可能性があります。介護保険法と介護保険法施行規則では、4月から9月までの年金からは、原則として前年度の最後(通常は2月)の年金から差し引かれた1回分と同じ金額を差し引き(仮徴収)、10月から翌年3月までは、その年度の保険料から4〜9月に差し引いた分を除いた残りを、支払いの回数で割った金額を差し引く(一般に本徴収と呼ばれます)と定められています。

住民税・森林環境税=4・6・8月は前年度分の2分の1、10・12・2月は残りを3回で

個人住民税と森林環境税も、年度の前半と後半で決まり方が違います。総務省が令和6年度の定額減税の説明に使った図(「個人住民税の定額減税について」)では、4月・6月・8月は前年度分の税額の2分の1にあたる「仮特別徴収税額」を3回に分けて、10月・12月・翌年2月は当年度分の税額から仮特別徴収税額を除いた「特別徴収税額」を3回に分けて差し引く形で示されています。地方税法では、新たに年金からの天引きの対象になった最初の年は、年度の前半の分を年金以外の方法(普通徴収)で納め、10月の年金から天引きが始まることも定められています。

年金からの天引き:年度の前半と後半の違い

年金からの天引き:年度の前半と後半の違い

このしくみから考えると、10月に天引きの金額が変わるのは、その年度の保険料や税額が決まり、年度の後半の天引きで調整されるためといえます。前年より所得が増えた人や保険料が上がった地域の人は、10月から天引きが増えることもあり、反対に減る人もいると考えられます。4月から9月の天引きは前年度の金額をもとにした仮の金額なので、春から夏にかけての振込額だけを見て、1年の負担を判断しないことも大切でしょう。12月15日の年金でも、介護保険料や住民税は10月と同じしくみの金額が差し引かれるため、10月の通知書の金額を目安にしておくとよいでしょう。

10月から年金の天引きが変わったのは、介護保険料も住民税も、その年度の金額が年度の後半の天引きに反映されるしくみになっているためです。

【介護保険料の基準額は全国平均で月6225円】後期高齢者医療の平均保険料は月7989円の見込み

では、年金から差し引かれる保険料は、全国の平均でどのくらいなのでしょうか。厚生労働省の発表で見ておきましょう。

介護保険料(65歳以上)=第9期の基準額は全国平均で月6225円

厚生労働省が2024年5月14日に公表した資料によると、第9期(令和6〜8年度)の介護保険の第1号保険料の基準額は、月額で全国加重平均6225円でした。第1号保険料は65歳以上の人の保険料で、基準額は市町村ごとに決まり、実際の保険料は所得などに応じた段階によって変わります。

後期高齢者医療(75歳以上など)=令和8・9年度の平均保険料額は月7989円の見込み

厚生労働省は2026年4月10日に「後期高齢者医療制度の令和8・9年度の保険料率について」を公表しました。同資料によれば、医療分の平均保険料額(被保険者一人当たり)は全国平均で月額7989円となる見込みです。令和6・7年度の実績(令和7年度は速報値)の7411円から578円(7.8%)の増加です。令和8年度からは、子ども分として平均で月194円(見込み)も加わります。

介護保険料と後期高齢者医療保険料の全国平均

介護保険料と後期高齢者医療保険料の全国平均

どちらも全国の平均で、実際の金額はお住まいの市区町村や広域連合、所得によって違います。介護保険料は原則3年ごと、後期高齢者医療保険料は2年ごとに保険料率などが見直されるため、改定の年度には年金からの天引きが大きく変わることもあると考えられます。見込みの平均であっても、保険料の動きを知っておくと、年金の手取りがこの先どう変わりうるかを考える手がかりになるでしょう。平均の数字は、自分の天引きの金額が多いか少ないかを決めるものではなく、変化の大きさをつかむ目安として読むとよいでしょう。75歳になって国民健康保険から後期高齢者医療制度に移る年は、天引きされる保険料の種類が変わるため、通知書の欄の名前や金額が変わることもあると考えられます。

【国民健康保険料・後期高齢者医療保険料の天引き】介護保険料と合わせて年金の2分の1を超えると対象外、止まったあとは原則10月から再開

介護保険料と住民税のほかに、国民健康保険料(税)や後期高齢者医療保険料が差し引かれている人もいます。

国民健康保険料・後期高齢者医療保険料=介護保険料と合わせて年金の2分の1を超えると対象外

日本年金機構の年金Q&Aによると、国民健康保険料(税)は65歳以上75歳未満(後期高齢者医療制度の対象の人を除く)、後期高齢者医療保険料は75歳以上などの人のうち、老齢・退職、障害、死亡を理由とする年金を受けていて、その年間の受給額が18万円以上の人が天引きの対象です。どちらも介護保険料が年金から差し引かれていることが前提で、介護保険料と合わせた金額が、各支払期に支払われる天引きの対象の年金の金額の2分の1を超える場合は、年金からは差し引かれません。保険料の金額によって天引きになる年とならない年がある人は、10月の通知書で天引きの欄に表示があるかどうかも確かめておきたいところです。

天引きが止まったとき=再開は原則として市区町村の依頼のあと初めての10月の支払いから

同機構の年金Q&Aでは、天引きされていた年金の支払いが止まった場合や、市区町村から中止の依頼があった場合に、年金からの天引きが中止されるとしています。再開するときは、原則として市区町村からの依頼を受けたあとの初めての10月の定期支払いからです。ただし、転出で止まった場合は転出先の市区町村で10月以外の定期支払いの月に再開されることもあり、4月の定期支払いの時点で中止の理由に当てはまる場合や、市区町村が天引きを日本年金機構に依頼しなかった場合は再開されません。天引きが止まっている間の納め方は、市区町村からの案内で確かめておくと、納め忘れを防ぐ手がかりになるでしょう。年金の受け取り方を変えたときや現況届を出し忘れたときは、天引きにも影響が出ることがあるため、手続きのあとの通知書はとくに注意して見ておきたいところです。

【12月15日の振込の前に】年金振込通知書の天引きの欄と、天引きをやめられるかを確かめる

最後に、12月の振込の前に手元で確かめておきたいことを整理しておきましょう。

年金振込通知書=介護保険料・後期高齢者医療保険料・住民税の欄を見比べる

日本年金機構の「年金振込通知書(2:年金振込額に変更があった場合)」(2026年10月2日更新)では、通知書の欄ごとに、介護保険料額や、後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)、所得税、住民税などの金額と、それらを差し引いたあとの控除後振込額が説明されています。8月や9月に届いた通知書では、10月以降の金額が「*」で表示され、10月以降の金額は改めて通知書が送られます。10月の通知書が届いたら、8月の通知書と並べて、どの欄が変わったのかを見比べてみましょう。天引きの欄は、年金から自動で払われている保険料と税金の一覧でもあるため、1年に1度は中身に目を通しておきたいところです。通知書の金額は1回の支払いごとの金額なので、1年分の負担を知りたいときは、市区町村からの通知に書かれた1年分の金額とあわせて見ると分かりやすいでしょう。

天引きはやめられる?=介護保険料と住民税はやめられない

日本年金機構の年金Q&Aによると、介護保険料と個人住民税・森林環境税は、本人の希望で年金からの天引きをやめることはできません。後期高齢者医療保険料と国民健康保険料(税)は、市区町村に相談するよう案内されています。

年金は2カ月に1回の振込のため、天引きの金額が変わると、次の支給日までの2カ月の家計にそのまま響きます。10月から天引きが増えた人は、12月15日の振込でも介護保険料や住民税は10月と同じしくみで差し引かれることを前提に、年末年始の出費の予定を立てておくと安心でしょう。ただし、日本年金機構の2026年6月17日のお知らせによると、令和8年分の所得税は12月の年金の支払いのときに1年分の税額との精算が行われるため、12月の振込額は10月と違うことがあります。所得税の精算の金額は、12月の通知書で確かめておきましょう。来年度も4月から9月は仮徴収、10月からはその年度の金額で天引きが行われるため、年金の振込額は1年の中で変わるものと考えて、10月の通知書を毎年の見直しのきっかけにしておくと、これからのマネープランも考えやすくなるでしょう。毎年10月の手取りの変化を書き留めておけば、数年先の家計の見通しを立てるときの材料にもなります。

まとめにかえて

まずは、10月に届いた年金振込通知書と8月の通知書を並べ、天引きの欄のうち変わったところに印をつけましょう。次に、市区町村から届いた介護保険料や住民税の通知で、その年度の金額を見ておきましょう。そして、12月15日の振込は所得税の精算で金額が変わることもあるため、届いた通知書で振込額を確かめてから、年末年始の家計の見通しを立てておきましょう。

年金からの天引きは、年度の前半は前の年度の金額をもとに、後半はその年度の金額で調整されるしくみです。10月に手取りが変わったときは、その理由を通知書で一つずつ確かめておくと、来年以降の年金の手取りの変化にも落ち着いて向き合え、これからのマネープランも立てやすくなるのではないでしょうか。

参考資料

齊藤 慧
ナビプラマネー編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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