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傷病手当金の支給は通算1年6か月まで。受給中の人の支給期間は平均約5.8か月、標準報酬月額22万円で1年6か月休み続けると「約267万円」
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傷病手当金の支給は通算1年6か月まで。受給中の人の支給期間は平均約5.8か月、標準報酬月額22万円で1年6か月休み続けると「約267万円」

退職したあとも受け取れる?

傷病手当金の支給は通算1年6か月まで。受給中の人の支給期間は平均約5.8か月、標準報酬月額22万円で1年6か月休み続けると「約267万円」
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全国健康保険協会(協会けんぽ)の「現金給付受給者状況調査(令和7年度)」で、2025年10月に傷病手当金を受けていた19万3435件の内訳が示されました。原因の病気で最も多いのは精神及び行動の障害で、41.27%を占めています。

休職が長引きそうなとき、傷病手当金はいつまで、合計でいくら受け取れるのでしょうか。会社の休職期間を延ばしたら、手当も一緒に延びるのでしょうか。

この記事では、協会けんぽの調査で受給中の人の支給期間を確かめ、健康保険法が定める「通算1年6か月」の数え方を整理します。標準報酬月額22万円と32万円で、1年6か月休み続けた場合の受給額も試算しました。

受給中の人はどのくらいの期間受け取っている?支給期間は平均約5.8か月、精神及び行動の障害では約7か月

協会けんぽの調査では、2025年10月に受給していた人について、支給開始日からその月の申請の支給末日までの期間を集計しています。全体の平均は173.38日で、約5.8か月でした。

病気の種類別に見ると、精神及び行動の障害の平均が211.92日と最も長く、約7か月です。新生物(がんなど)と神経系の疾患も200日を超えています。

精神及び行動の障害で受給している人の平均支給期間は211.92日です

傷病手当金の受給者の病気別の平均支給期間(2025年10月時点)
  • 【精神及び行動の障害】211.92日
  • 【新生物】201.71日
  • 【神経系の疾患】201.52日
  • 【全体】173.38日(約5.8か月)

支給期間の分布を見ると、30日以下が23.61%で最も多く、期間が長くなるほど割合は下がります。一方で、541日以上の人も4.35%いました。上限の1年6か月に近づいている人も、一定数いることが分かります。

なお、この平均は、受給中の人がその時点までに受け取った期間です。最終的に何か月受け取るかを示す数字ではない点に注意が必要です。

傷病手当金はいつまで受け取れる?同じ病気やけがで通算1年6か月まで、出勤して支給がなかった期間は繰り越せる

健康保険法第99条第4項は、傷病手当金の支給期間を、同じ病気やけがについて「その支給を始めた日から通算して一年六月間」と定めています。厚生労働省によると、2022年1月1日から、支給開始日から数えて1年6か月で打ち切る扱いが、通算の扱いに改められました。

通算になったことで、途中で出勤するなどして傷病手当金が支給されなかった期間があれば、その分を繰り越して受け取れます。復職したあとに同じ病気で再び休んだ場合も、残っている期間の範囲で支給が続きます。

  • 【上限の期間】同じ病気やけがで通算1年6か月
  • 【数え方】支給された期間だけを通算し、出勤して支給がなかった期間は含めない
  • 【対象】2022年1月1日以降の取り扱い(2021年12月31日時点で支給開始から1年6か月を過ぎていないものから)

一方で、会社の休職期間は、それぞれの会社の就業規則で決まります。休職期間を延ばしても、傷病手当金の上限が1年6か月より長くなるわけではありません。逆に、休職期間が先に終わっても、条件を満たせば退職後も受け取れる場合があります。

1年6か月休み続けたら総額いくら?標準報酬月額22万円なら1日4887円で約267万円

協会けんぽの案内では、1日あたりの支給額は、支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均を30で割り、10円未満を四捨五入した額の3分の2です。協会けんぽの調査で受給者が最も多かったのは標準報酬月額19万〜26万円の等級(40.38%)で、その中ほどの22万円と、男性で最も多かった28万〜36万円の等級の中ほどの32万円で試算しました。

標準報酬月額22万円で1年6か月休み続けると、傷病手当金は約267万円です

標準報酬月額22万円と32万円の傷病手当金の試算
出所:全国健康保険協会「傷病手当金」をもとにナビプラマネー編集部作成
  • 【標準報酬月額22万円】1日4887円、30日分14万6610円、1年6か月(547日)267万3189円(約267万円)
  • 【標準報酬月額32万円】1日7113円、30日分21万3390円、1年6か月(547日)389万811円(約389万円)

加入してから12か月に満たない人は、それまでの各月の平均と、全被保険者の標準報酬月額の平均額のうち、低いほうで計算します。協会けんぽの案内では、支給開始日が2025年4月1日以降の場合、全被保険者の平均額は32万円です。

※試算の前提:協会けんぽに加入し、支給開始日以前12か月の標準報酬月額が同じ額だった場合。支給開始日を2026年11月1日とし、2028年4月30日まで547日間、給与を受けずに休み続けたものとしています。給与の一部が出る日や、障害年金などとの調整は考えていません。

退職したあとも受け取れる?退職日まで1年以上の加入と、退職日に受けられる状態にあることが条件

協会けんぽの調査では、2025年10月の支給件数のうち、すでに健康保険の資格を失った人(退職者など)への支給が4万3061件で、全体の22.26%でした。資格を失った人の支給を病気別に見ると、精神及び行動の障害が65.76%を占めます。

退職後も受け取り続けるには、条件があります。協会けんぽの案内では、退職日までに被保険者期間が継続して1年以上あり、退職日に傷病手当金を受けているか、受けられる状態であることが求められます。

  • 【加入期間】退職日まで継続して1年以上(任意継続被保険者の期間や国民健康保険の期間は含めない)
  • 【退職日の状態】傷病手当金を受けているか、受けられる状態であること
  • 【支給の終わり】一度働ける状態になったあと、再び働けなくなっても支給されない

退職後に受け取れる期間も、在職中に受けた期間と合わせて通算1年6か月までです。退職日に出勤するなど、受けられる状態かどうかが変わる行動をとる前に、加入している協会けんぽの支部や健康保険組合に確かめておくと安心です。

1年6か月が近づいたら、障害年金の障害認定日も確かめる

傷病手当金の上限と同じ「1年6か月」という期間は、障害年金にも出てきます。日本年金機構によると、障害の状態を定める障害認定日は、原則として、病気やけがの初診日から1年6か月を過ぎた日です。

ただし、障害認定日の起点は初診日で、傷病手当金の起点は支給開始日です。初診から休み始めるまでに間があれば、2つの1年6か月は同じ日には終わりません。

支給期間の終わりが見えてきた段階で、初診日がいつかを医療機関の記録で確かめ、障害年金の対象になるかを年金事務所に相談しておくと、収入が途切れる時期を見通しやすくなります。

「平均約5.8か月」は受給中の人の途中経過として読む

医療保険の政策を取材していた経験からお伝えすると、給付の統計では、数字が「いつ時点の、誰を数えたものか」で意味が大きく変わります。今回の調査は、2025年10月に受給していた人全員を対象にした、ある1か月の断面です。

そのため、平均支給期間の173.38日は、受給を終えた人が合計で何日受け取ったかではありません。調査の時点で受給を始めたばかりの人も、上限近くまで受けている人も含めた、途中経過の平均です。

この断面の中に、541日以上の人が4.35%いたことは、1年6か月の上限まで受け取る人が一定数いることを示しています。精神及び行動の障害の平均が全体より38.54日長いことと合わせて読むと、休職が長引く場合の備えとして、上限の日付を早めに確かめておく意味があります。

支給期間の終わりの日は、支給開始日と、出勤して支給がなかった日数で変わります。支給決定の通知書などで、支給された期間を記録しておくと、残りの期間を自分で数えられます。

傷病手当金は通算1年6か月、受給額と退職後の条件を早めに確かめる

傷病手当金は、同じ病気やけがで通算1年6か月まで受け取れます。協会けんぽの調査では、受給中の人の支給期間は平均約5.8か月で、標準報酬月額22万円の人が1年6か月休み続けると、受給額は約267万円になります。

会社の休職期間と傷病手当金の支給期間は別のルールで決まり、退職後に受け取るには加入期間と退職日の状態の条件があります。支給期間や退職後の扱いは加入している健康保険に、休職期間は勤務先の人事担当に確かめながら、療養の見通しを立てていきましょう。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の支給額や支給期間、退職後の扱いは加入している健康保険や個々の状況によって異なるため、加入している協会けんぽの支部や健康保険組合でご確認ください。

齊藤 慧
ナビプラマネー編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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