20歳前の傷病による障害基礎年金は年金そのものに所得制限
初診日が20歳より前にある「20歳前の傷病による障害基礎年金」を受けている人は、給付金とは別に、年金そのものに所得制限があります。働いている人ほど、こちらもあわせて確かめておく必要があります。
385万8000円と491万8000円
日本年金機構によると、20歳前の傷病による障害基礎年金は、前年の所得が385万8000円を超えると年金額の2分の1が、491万8000円を超えると全額が支給停止になります。扶養親族がいる場合は、給付金と同じく1人につき38万円などが加算されます。
年金の支給制限も、前年の所得で10月分から翌年9月分までを判定します。給付金の判定と同じ時期に切り替わると覚えておくと分かりやすいでしょう。
年金が止まると給付金も止まる
日本年金機構は、年金生活者支援給付金が不該当になる主な理由の1つに、年金が全額支給停止になっていることを挙げています。20歳前の傷病による障害基礎年金で所得が491万8000円を超えると、年金と給付金の両方が止まることになります。
試算の年収700万円の例でいえば、判定の所得420万円は385万8000円を超えます。20歳前の傷病による障害基礎年金を受けている人は、年金の2分の1の停止にかかるかどうかも確かめましょう。
障害年金生活者支援給付金の判定は毎年10月分から切り替わる
障害年金生活者支援給付金は、一度認定されれば毎年請求し直す必要はありません。日本年金機構が毎年、市町村から前年の所得の情報を受けて、引き続き要件を満たすかを確かめます。
所得が変わった年の翌年に反映
判定は10月分から翌年9月分までをひとくくりにして行い、2026年10月分から2027年9月分までは2025年の所得で判定します。支給額が変わる人には支給金額変更通知書、要件に当てはまらなくなった人には不該当通知書が届きます。
反対に、給与が下がって新たに対象になった人には、毎年9月の第1営業日から順次、はがき型の請求書が緑の封筒で届きます。障害基礎年金をこれから請求する人は、年金の請求手続きのときに年金生活者支援給付金請求書(A4型)もあわせて出します。
障害状態確認届で等級が変わると額も変わる
障害年金の等級の変更も、給付金の支給額が変わる主な理由の1つです。1級は月7025円、2級は月5620円なので、等級が変わると月1405円、年1万6860円の差が出ます。
等級の見直しにつながる障害状態確認届(診断書)は、提出が必要な人に誕生月の3か月前の月末に送られ、期限は誕生月の末日です。2月生まれの人なら11月末に届くので、届いたら早めに医師に診断書を依頼しておくと安心です。
まとめにかえて
障害年金生活者支援給付金は、世帯の住民税を問わず、前年の所得が491万8000円以下なら受け取れます。障害年金は所得に数えず、給与は給与所得から社会保険料控除などを引いた額で判定します。
冒頭の声のように年収400万円の単身の会社員なら、判定の所得は216万円ほどで、2級なら月5620円を受け取れる試算になりました。ただし、本人の障害者控除は引かないことや、20歳前の傷病による障害基礎年金の所得制限には注意が必要です。
自分が対象になるか分からないときは、給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)か近くの年金事務所に問い合わせると確実です。住民税の課税証明書で前年の所得と控除の額を確かめてから相談すると、判定の見通しがつきやすくなります。
地方公務員・保険代理店出身。証券外務員二種保有。自治体で国民健康保険の賦課や高額療養費、退職に伴う年金切り替え等の実務に従事。複雑な社会保障制度に精通し、現在は株式会社モニクルリサーチが運営する複数のWebメディアで年金・貯蓄・退職金等の情報を発信。