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勤務先の健康保険に入ったパートは傷病手当金の対象に。標準報酬月額11万円なら1日「2447円」
ナビプラマネー編集部作成
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勤務先の健康保険に入ったパートは傷病手当金の対象に。標準報酬月額11万円なら1日「2447円」

勤務先の健康保険に入ったパートは傷病手当金の対象に。標準報酬月額11万円なら1日「2447円」
ナビプラマネー編集部作成

「週24時間のパートで、10月から勤務先の健康保険に入りました。給与から保険料が引かれるようになりましたが、病気で休んだときに受け取れるお金はあるのでしょうか」

社会保険に入ったばかりのパートの人から、このような疑問の声が届くこともあります。

2026年10月、短時間労働者が勤務先の健康保険と厚生年金に入る要件のうち「月額8.8万円」の賃金要件がなくなりました。全国健康保険協会(協会けんぽ)の「現金給付受給者状況調査(令和7年度)」では、2025年10月に傷病手当金を受けた人の1件あたりの金額は平均19万3493円でした。

この記事では、勤務先の健康保険に入ると対象になる傷病手当金と出産手当金の額を標準報酬月額11万円の例で計算し、国民健康保険や家族の扶養との違いを確かめます。

【社会保険の加入】2026年10月に「月額8.8万円」の要件がなくなった

パートやアルバイトが勤務先の健康保険に入るかどうかの基準は、2026年10月に変わりました。まずは、いまの加入要件を整理します。

賃金要件がなくなった理由

厚生労働省によると、全国の最低賃金が時給1016円以上になったことを踏まえ、2026年10月に賃金要件が撤廃されました。時給1016円以上なら、週20時間働けば月額8.8万円(年額換算で約106万円)を上回るためです。

ただし、最低賃金の減額特例の許可を受けている人で、月額賃金が8.8万円未満の場合は原則として加入の対象外です。本人が希望すれば、任意で加入できます。

残る要件は週20時間と勤務先の規模

賃金要件がなくなったあとも、週の所定労働時間が20時間以上であること、勤務先が従業員51人以上の企業であること、学生ではないことの要件は残ります。従業員数の要件は、2027年10月から36人以上、2029年10月から21人以上と段階的に広がる予定です。

これらの要件を満たした人は、勤務先の健康保険と厚生年金の被保険者になります。

扶養に入れるのは原則130万円未満

勤務先の健康保険に入らない人が家族の健康保険の被扶養者になれるのは、原則として年間収入が130万円未満の場合です。60歳以上の人や一定の障害がある人は180万円未満、19歳以上23歳未満の人(配偶者を除く)は150万円未満が基準になります。

日本年金機構の案内では、被扶養者の収入には雇用保険の失業等給付や公的年金のほか、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれます。扶養から外れ、勤務先の健康保険にも入らない人は国民健康保険に加入します。

傷病手当金と出産手当金は勤務先の健康保険の給付

勤務先の健康保険に入ると保険料がかかる一方、病気やけが、出産で仕事を休んだときの給付の対象になります。家族の扶養に入っている人にはない給付で、国民健康保険でも法律で必ず支給されるものではありません。

例)標準報酬月額11万円の場合 休んだときの給付と保険料(2026年度)

標準報酬月額11万円の場合の比較表。勤務先の健康保険では傷病手当金が1日2447円で30日なら7万3410円、出産手当金が98日で23万9806円、本人の保険料は40歳未満で月5500円ほど。勤務先の健康保険では産前産後休業中の保険料は申し出で免除。国民健康保険では傷病手当金と出産手当金は条例などで定めた場合だけで、出産する人は産前産後の期間の保険料が免除される。家族の扶養では傷病手当金と出産手当金はなく、本人の保険料もかからない
ナビプラマネー編集部作成
  • 勤務先の健康保険の傷病手当金:1日2447円(30日で7万3410円)
  • 勤務先の健康保険の出産手当金:98日で23万9806円
  • 勤務先の健康保険の出産するときの保険料:産前産後休業中は申し出で免除
  • 勤務先の健康保険の本人の保険料:月5500円ほど(協会けんぽ東京支部・40歳未満・健康保険料と子ども・子育て支援金)
  • 国民健康保険の傷病手当金・出産手当金:条例などで定めた場合だけ
  • 国民健康保険の出産する人の保険料:産前産後の期間は免除
  • 家族の扶養:傷病手当金・出産手当金はなく、本人の保険料もかからない

傷病手当金は休んだ4日目から

協会けんぽの傷病手当金は、業務外の病気やけがで仕事に就けず、給与が支払われないときに支給されます。連続した3日間の待期期間のあと、4日目から対象になります。

支給される期間は、支給を始めた日から通算して1年6か月です。給与が一部だけ支払われた場合は、その分を差し引いた額が支給されます。

1日あたりの額

1日あたりの額は「支給開始日以前の12か月間の標準報酬月額の平均÷30×3分の2」で計算します。加入から12か月に満たない人は、加入後の標準報酬月額の平均と、全被保険者の標準報酬月額の平均(2025年4月1日以降に支給を始める場合は32万円)のうち、低いほうを使います。

冒頭の声のように10月に加入したばかりで標準報酬月額が11万円なら、11万円÷30で3670円(健康保険法の決まりで10円未満を四捨五入)となり、その3分の2の2447円が1日あたりの額です。30日分では7万3410円になります。

出産手当金は産前42日から産後56日

出産手当金は、出産のために会社を休み、給与が支払われなかった期間に支給されます。対象は出産日(予定日より遅れた場合は出産予定日)以前42日(多胎妊娠は98日)から、出産の翌日以後56日までです。

1日あたりの額は傷病手当金と同じ方法で計算します。標準報酬月額11万円の人が産前42日と産後56日の98日間休んだ場合は、2447円×98日で23万9806円です。

保険料は会社と折半

給付の対象になる代わりに、保険料の負担が生じます。協会けんぽ東京支部の2026年度の健康保険料率は9.85%で、2026年4月分からは全国一律0.23%の子ども・子育て支援金も加わり、どちらも会社と折半します。

標準報酬月額11万円で40歳未満の人なら、本人の負担は健康保険料と子ども・子育て支援金を合わせて月5500円ほどです。40歳から64歳の人は介護保険料(1.62%を折半)もかかり、厚生年金保険料も別に引かれるので、手取りは加入前より減ります。

【協会けんぽの調査】傷病手当金の原因は「精神及び行動の障害」が41.27%

協会けんぽの「現金給付受給者状況調査(令和7年度)」は、2025年10月に傷病手当金や出産手当金を受けた人全員を対象にしています。どのような理由で、どのくらいの期間受け取っているのかを見ていきます。

1件あたり平均32.43日・19万3493円

2025年10月の傷病手当金の調査対象は19万3435件で、1件あたりの日数は平均32.43日、金額は平均19万3493円でした。男女別の件数は、男性が49.34%、女性が50.66%です。

年齢階級別に件数の割合を見ると、50〜54歳が12.51%で最も高く、55〜59歳が12.15%で続きます。24歳以下も5.96%あり、若い世代にも受け取る人がいるのです。

傷病手当金を受けた原因(傷病別の件数の割合・2025年10月・協会けんぽ)

協会けんぽの2025年10月の傷病手当金について、原因となった傷病別の件数の割合。精神及び行動の障害41.27%、新生物14.18%、筋骨格系及び結合組織の疾患8.86%、循環器系の疾患7.28%、損傷、中毒及びその他の外因の影響6.48%、その他21.93%。1件あたりの平均は32.43日、19万3493円
出所:全国健康保険協会「現金給付受給者状況調査(令和7年度)」をもとにナビプラマネー編集部作成
  • 精神及び行動の障害:41.27%
  • 新生物:14.18%
  • 筋骨格系及び結合組織の疾患:8.86%
  • 循環器系の疾患:7.28%
  • 損傷、中毒及びその他の外因の影響:6.48%
  • その他:21.93%

精神及び行動の障害が4割を超える

原因の1位は「精神及び行動の障害」で、2013年の25.67%から2025年は41.27%に上がりました。

次いで多いのは、がんなどの新生物の14.18%です。どちらも休む期間が長くなりやすい病気なので、休んだ間の収入をどう支えるかは、働き方を選ぶときにも気にしておきたい点です。

出産手当金は平均46万2019円

2025年10月の出産手当金の調査対象は2万549件でした。1件あたりの日数は平均83.03日、金額は平均46万2019円で、1日あたりでは平均5564円です。

年齢階級別では、30〜34歳が39.08%で最も高く、25〜29歳が28.72%で続きます。傷病手当金の平均19万3493円と出産手当金の平均46万2019円は、どちらも勤務先の健康保険に入っている人が受け取れる給付です。

太田 彩子
ナビプラマネー編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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