【試算】48歳ひとり暮らしの生活保護の最低生活費
生活保護で受け取る額は、国が定める基準で計算した最低生活費から、収入として認定された額を差し引いた分です。ここでは、厚生労働省「生活保護法による保護の基準」の2026年10月1日から適用されている額で、48歳・ひとり暮らしの最低生活費を試算します。
生活扶助の計算
食費や光熱費などにあたる生活扶助は、年齢別の第1類費と世帯人員別の第2類費に経過的加算額を加え、10円未満を切り上げたうえで特例加算を足して計算します。特例加算は2026年10月から1人あたり月2500円です。
東京23区などの1級地-1では、41歳から59歳の第1類費が4万6930円、1人世帯の第2類費が2万7790円、経過的加算額が20円です。特例加算を足すと、生活扶助は月7万7240円になります。
3級地-2では、第1類費が3万8950円で経過的加算額は0円のため、生活扶助は月6万9240円です。住む地域の級地によって、ひとり暮らしでも月8000円の差が出ます。
家賃は住宅扶助で上限まで
家賃は住宅扶助として、上限額の範囲内で実際の額が出ます。上限額は住む地域ごとに異なり、厚生労働大臣が都道府県・指定都市・中核市ごとに定めています。
試算では、1級地-1で家賃4万5000円、3級地-2で家賃3万円とし、いずれも上限額の範囲内と仮定しました。この場合の最低生活費は、1級地-1で月12万2240円、3級地-2で月9万9240円です。
例)48歳・ひとり暮らしの場合 生活保護の最低生活費の試算(2026年10月時点)
- 【1級地-1】第1類費(41~59歳)4万6930円、第2類費(1人)2万7790円、経過的加算額20円、特例加算2500円
- 【1級地-1】生活扶助の計7万7240円、住宅扶助(家賃)4万5000円、最低生活費12万2240円
- 【3級地-2】第1類費(41~59歳)3万8950円、第2類費(1人)2万7790円、経過的加算額0円、特例加算2500円
- 【3級地-2】生活扶助の計6万9240円、住宅扶助(家賃)3万円、最低生活費9万9240円
- 【前提】家賃が住宅扶助の上限額の範囲内と仮定。冬季加算(11~3月)・医療扶助などは含まない
11月から3月までは、東京都などのⅥ区では1人世帯に冬季加算2630円が加わります。冬季加算は地区によって額と期間が異なり、北海道などのⅠ区では10月から4月まで、1人世帯で1万2780円です。
冒頭の声に当てはめると
冒頭の声の人が東京23区で家賃4万5000円の部屋に住み、収入がない場合、最低生活費は月12万2240円です。福祉事務所の調査で保護が必要と判定されれば、この額をもとに保護費が決まります。
手元の貯金については、課長通知の問答で、保護が始まる月の手持ち金のうち最低生活費(医療扶助と介護扶助を除く)の5割までは収入として認定しない扱いが示されています。月12万2240円の5割は6万1120円なので、10万円のうち3万8880円が収入として認定されます。
この場合、保護が始まる月の保護費は8万3360円という試算です。月の途中から保護が始まる場合は計算が変わるため、金額は福祉事務所で確かめてください。
生活保護の申請から決定までは原則14日
最後に、申請してからの流れを生活保護法で確かめます。
通知は申請の日から14日以内
生活保護は、本人や扶養義務者、同居の親族の申請にもとづいて始まります(第7条)。申請を受けた保護の実施機関は、保護が必要かどうかや程度などを決め、書面で通知します(第24条第3項)。
通知は申請のあった日から14日以内が原則で、扶養義務者の資産や収入の調査に日数がかかるなど特別な理由がある場合は30日まで延ばせます(同条第5項)。申請から30日以内に通知がなければ、申請者は却下されたものとみなすことができます(同条第7項)。
求職中に伝えること
申請書には、資産や収入の状況とあわせて、生業・就労・求職活動の状況も書くことになっています(第24条第1項)。働ける年齢の人は、保護が始まってからも求職状況報告書などで求職活動の状況を伝えることになります。
どこに応募したか、面接を受けたかといった記録を残しておくと、説明がしやすくなります。年金や手当などほかの制度で受け取れるものがある場合は、まずそちらを活用することも生活保護の前提です。
まとめにかえて
生活保護法に年齢の要件はなく、働ける年齢の人も、資産や能力の活用などの要件を満たせば保護を受けられます。働く力の活用は、稼働能力・活用する意思・就労の場の3つで判断されます。
48歳のひとり暮らしなら、東京23区で家賃4万5000円の場合、最低生活費は月12万2240円という試算でした。貯金が少なくなり仕事も決まらないときは、住んでいる地域を担当する福祉事務所の生活保護の窓口に早めに相談してみてください。
福祉事務所は、市(区)部では市(区)が、町村部では都道府県が設けています。福祉事務所のない町村に住んでいる場合は、町村役場でも申請の手続きができます。
地方公務員・保険代理店出身。証券外務員二種保有。自治体で国民健康保険の賦課や高額療養費、退職に伴う年金切り替え等の実務に従事。複雑な社会保障制度に精通し、現在は株式会社モニクルリサーチが運営する複数のWebメディアで年金・貯蓄・退職金等の情報を発信。