ナビプラマネー
【住居確保給付金】単身で月収12万円なら家賃の支給は月「3万2000円」の試算。休業で収入が減った人も対象
captainX/shutterstock.com
公的扶助・社会福祉

【住居確保給付金】単身で月収12万円なら家賃の支給は月「3万2000円」の試算。休業で収入が減った人も対象

【住居確保給付金】単身で月収12万円なら家賃の支給は月「3万2000円」の試算。休業で収入が減った人も対象
captainX/shutterstock.com

「50歳でひとり暮らしをしています。勤め先の業績が悪化して勤務日数が減り、給料は月12万円ほどになりました。仕事を辞めたわけではないのですが、家賃6万円を払い続けられるか不安です。家賃を助けてもらえる制度はあるのでしょうか」

収入が減って家賃の支払いが心配になった人から、このような疑問の声が届くことも多いです。

家賃を支える公的な制度に、生活困窮者自立支援法にもとづく「住居確保給付金」があります。厚生労働省によると、離職や廃業から2年以内の人だけでなく、本人の責任や都合によらず収入が減り、離職や廃業と同じくらいの状況になった人も対象です。

この記事では、給付金を受けられる収入と預貯金の基準を確かめたうえで、東京都荒川区のひとり暮らしで家賃が月6万円の場合に、月の収入ごとにいくら受け取れるかを試算します。

住居確保給付金は失業した人だけの制度ではない

住居確保給付金は、家賃を払えずに住まいを失うおそれがある人に、家賃に当たる額を支給する制度です。厚生労働省は、対象になる人を次のように示しています。

  • 【離職・廃業】主に生計を支える人が、離職・廃業から2年以内
  • 【収入の減少】本人の責任や都合によらず給与などを得る機会が減り、離職・廃業と同じくらいの状況にある

「失業した人の制度」と受け止められがちですが、冒頭の声のように勤務日数が減って収入が下がった場合も、後者に当たれば対象になります。

給付金は、自治体から大家さんや不動産会社に直接支払われます。手元に振り込まれるお金ではないため、生活費などほかの支払いには回せません。

受けられるかは収入と預貯金の2つの基準で決まる

厚生労働省によると、収入の基準は、世帯の月の収入の合計が「基準額」と家賃(上限あり)の合計を超えないことです。基準額は、市町村民税の均等割が非課税となる額の12分の1にあたります。

預貯金の基準は、世帯の合計が基準額の6か月分を超えないことで、上限は100万円です。荒川区の案内(2026年7月23日更新)では、単身世帯の額は次のとおりです。

  • 【基準額】9万2000円
  • 【家賃の支給上限額】5万3700円
  • 【収入の上限】14万5700円(基準額と家賃の上限の合計)
  • 【預貯金の上限】55万2000円

同じ荒川区で2人世帯なら基準額13万9000円・支給上限額6万4000円、3人世帯なら基準額17万2000円・支給上限額6万9800円です。預貯金の上限は2人世帯で83万4000円、3人以上の世帯で100万円です。

受給中は、仕事を探す活動も求められます。厚生労働省が示す内容は、自立相談支援機関での面接が月4回以上、ハローワークでの求職の申し込みと職業相談が月2回以上、企業などへの応募が週1回以上です。

まずは世帯の月の収入と預貯金の合計を書き出し、住んでいる区市町村の基準と比べてみると、対象になりそうかの見当がつきます。

【試算】単身・家賃6万円で月収12万円なら支給は月3万2000円

支給額は、世帯の月の収入が基準額以下なら家賃の額、基準額を超えるなら「基準額+家賃の額-世帯の月の収入」です。どちらも支給上限額までになります。

荒川区のひとり暮らしで、家賃が月6万円の場合を月の収入別に試算しました。

例)荒川区・単身・家賃6万円の場合 月の収入別の住居確保給付金(2026年7月時点の基準)

荒川区の単身世帯で家賃が月6万円の場合の住居確保給付金の試算。月の収入が8万円なら支給額5万3700円、10万円なら5万2000円、12万円なら3万2000円、14万円なら1万2000円で、14万5700円を超えると対象外。
  • 【月の収入8万円】支給額5万3700円、家賃の自己負担6300円、最長9か月の合計48万3300円
  • 【月の収入10万円】支給額5万2000円、家賃の自己負担8000円、最長9か月の合計46万8000円
  • 【月の収入12万円】支給額3万2000円、家賃の自己負担2万8000円、最長9か月の合計28万8000円
  • 【月の収入14万円】支給額1万2000円、家賃の自己負担4万8000円、最長9か月の合計10万8000円
  • 【月の収入14万5700円を超える】対象外

※試算の前提:荒川区の単身世帯の基準(基準額9万2000円・支給上限額5万3700円)を使い、収入は税金などを引く前の世帯の月の収入、家賃は月6万円としました。

冒頭の声のように月の収入が12万円なら、支給額は月3万2000円です。家賃6万円のうち2万8000円を自分で払う計算で、最長の9か月受けると合計は28万8000円になります。

収入が基準額の9万2000円以下なら、支給額は上限の5万3700円です。ただし、家賃のうち上限を超える6300円は、収入にかかわらず自己負担になります。

家賃の上限は住んでいる区市町村で違う

家賃の支給上限額は、区市町村ごとに決められています。同じ東京23区でも、中央区の案内(2026年7月改正版)では、単身世帯の支給上限額は6万9800円です。

単身世帯の住居確保給付金の基準 荒川区と中央区の比較(2026年7月時点)

単身世帯の住居確保給付金の基準の比較。基準額は荒川区・中央区とも9万2000円、支給上限額は荒川区5万3700円・中央区6万9800円、収入の上限は荒川区14万5700円・中央区16万1800円、預貯金の上限はどちらも55万2000円。
  • 【基準額】荒川区9万2000円、中央区9万2000円
  • 【支給上限額(家賃)】荒川区5万3700円、中央区6万9800円
  • 【収入の上限】荒川区14万5700円、中央区16万1800円
  • 【預貯金の上限】荒川区55万2000円、中央区55万2000円

基準額と預貯金の上限は同じでも、家賃の支給上限額には1万6100円の差があります。他の区市町村の記事や案内の金額をそのまま当てはめず、住んでいる地域の案内で確かめることが大切です。

支給期間は原則3か月で、延長は2回まで、最長9か月です。

家賃の安い住まいへ移る人に向けて、礼金や仲介手数料、引っ越しの運搬費などを補助する「転居費用補助」を設けている区もあります。荒川区の案内では、敷金や前家賃は補助の対象外です。

まとめにかえて

住居確保給付金は、離職や廃業をした人だけでなく、勤務日数が減るなどして収入が下がった人も対象になる制度です。荒川区のひとり暮らしで家賃が月6万円なら、月の収入12万円で支給額は月3万2000円という試算でした。

受けられるかどうかや金額は、世帯の収入と預貯金、住んでいる地域の上限額で決まります。まずは自分の収入と預貯金を書き出し、地域の基準と見比べるところから始めてみてください。

相談の窓口は、住んでいる区市町村の自立相談支援機関です。家賃のほかにも生活費のやりくりに困っているときは、あわせて相談してみてください。

太田 彩子
ナビプラマネー編集部記者株式会社モニクルリサーチ

関連タグ