秋に日本年金機構から届いた封筒の中に、年金生活者支援給付金の請求書(はがき)が入っていた人もいるのではないでしょうか。日本年金機構は、新たに給付金を受け取れる人へ、令和8年度のはがき型の請求書を2026年9月1日から順次送っています。このはがきは、出さないままにしておくと給付金を受け取れない大切な書類です。年金に関する書類は秋にいくつも届くため、ほかの通知と一緒にしまったままになっている人もいるかもしれません。
年金生活者支援給付金は、原則として年金と同じ偶数月の15日に、年金とは別に振り込まれます。12月15日の振込を前に、はがきを出したかどうか、期限はいつまでかを確かめておきたいところです。本記事では、日本年金機構の案内をもとに、はがきの意味と期限、遅れたときに受け取れなくなる月と金額の目安を解説します。
記事の後半では、給付金を受け取っている人の件数と平均給付金額、はがきの出し方や届かないときの相談先も紹介します。
【年金生活者支援給付金のはがき(請求書)】出さないと受け取れない?令和9年1月4日までに届けば10月分から
まずは、はがきがどのような書類なのかと、提出の期限を確かめましょう。
はがきは給付金の「認定請求」の書類=出さないと受け取れない
日本年金機構の年金Q&Aでは、年金生活者支援給付金を受け取るためには「認定請求」の手続きが必要だとしています。すでに基礎年金を受けている人のうち、所得が前年より下がったことなどで新たに給付金の対象となる人には、はがき型の請求書が送られます。必要事項を書き、切手を貼ってポストに入れれば、認定請求の手続きが完了します。すでに給付金を受け取っている人は、新たな手続きはいりません。
さかのぼって受け取れる締め=支給要件に当てはまる人が令和9年1月4日(月曜)までに届けば令和8年10月分から
同機構の年金Q&Aによると、はがきに書かれた提出期限を過ぎても、手続きはできます。支給要件に当てはまる人は、令和9年1月4日(月曜)までに手続きの書類が日本年金機構に届けば、さかのぼって令和8年10月分から給付金を受け取れます。1月4日までに届かなかったときは、請求した月の翌月分からの受け取りになります。
はがき(請求書)を出した時期と、給付金の受け取りの始まり【令和8年度】
たとえば、期限の翌日にあたる1月5日から月末までに請求すると、受け取りの始まりは2月分となり、10月から1月までの4カ月分は受け取れません。保険料を40年納めた人の令和8年度の基準額(月額5620円)で計算すると、受け取れない金額は2万2480円になります。実際の月額は保険料を納めた期間などで変わりますが、期限を過ぎるほど受け取れない月が増えていく点には注意が必要です。手元にはがきがある人は、年明けの1月4日を待たずに早めに出しておくと安心でしょう。年末年始は郵便が届くまでに日数がかかることも考えられるため、余裕をもって出しておきたいところです。
年金生活者支援給付金のはがきは、出さないと受け取れない請求書で、支給要件に当てはまる人なら令和9年1月4日までに日本年金機構へ届けば令和8年10月分からさかのぼって受け取れます。
【受給は総数で781万9978件(障害・遺族を含む)】老齢年金生活者支援給付金の件数と平均給付金額
では、年金生活者支援給付金はどのくらいの人が受け取っているのでしょうか。厚生労働省の統計で見ておきましょう。
年金生活者支援給付金の件数=総数781万9978件、老齢は450万4441件
厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、令和7年3月に認定されている年金生活者支援給付金の件数は、障害・遺族も合わせた総数で781万9978件でした。そのうち老齢年金生活者支援給付金は450万4441件、所得が基準を少し超える人が対象の補足的老齢年金生活者支援給付金は106万664件です。
平均給付金額(月額)=老齢は4146円、2カ月分で8292円
同資料では、老齢年金生活者支援給付金の平均給付金額(月額)は4146円、補足的老齢年金生活者支援給付金は2177円でした。年金と同じく2カ月に1回の振込で考えると、老齢は平均で8292円、補足的老齢は4354円が1回に届く金額の目安になります。
年金生活者支援給付金を受け取っている件数と平均給付金額
これらは令和7年3月時点の数字で、令和8年度の基準額5620円への改定の前の金額です。1回の振込は数千円でも、1年では6回分が届くため、はがきを出さずに過ごすと受け取れなかった分は小さくないと考えられます。日本年金機構の年金Q&Aでは、給付金は恒久的な制度で、支給要件を満たしているかぎり続けて受け取れるとされています。最初の1回の手続きが、その後の受け取りにつながると考えておくとよいでしょう。毎年の手続きがいらない分、最初のはがきを出しそびれないことが大切です。平均給付金額は保険料を納めた期間などがさまざまな人を合わせた数字のため、自分の金額は届く通知書で確かめるのが確実です。
元厚労省担当の専門紙の新聞記者。公的社会保障(年金・医療・介護)やNISA・iDeCoを横断分析。難解な一次データを生活者視点に翻訳し、知っておきたい家計防衛の知見と、安全で実用的な情報を提供。