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生活保護費は12月に増える。期末一時扶助でひとり暮らしは最大「1万4500円」の上乗せ
siro46/shutterstock.com
公的扶助・社会福祉

生活保護費は12月に増える。期末一時扶助でひとり暮らしは最大「1万4500円」の上乗せ

生活保護費は12月に増える。期末一時扶助でひとり暮らしは最大「1万4500円」の上乗せ
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「生活保護を受けている72歳の母は、年金が月6万円ほどです。12月は保護費が少し増えると聞きましたが、ボーナスのようなものが出るのでしょうか」

年末が近づくと、生活保護を受けている本人や離れて暮らす家族から、このような疑問の声が届くことが多いです。

厚生労働省の告示「生活保護法による保護の基準」では、12月の生活扶助に「期末一時扶助費」を加えると定めています。2026年10月1日から適用されている基準額では、ひとり暮らしで1万1240円から1万4500円です。

この記事では、12月の保護費が増える仕組みを整理し、70歳ひとり暮らしの場合の生活扶助を級地別に試算します。冬の間に加わる冬季加算や、夫婦2人世帯の場合もあわせて確かめます。

生活保護の12月分には「期末一時扶助」が加わる

12月の保護費が増えるのは、生活扶助の計算に期末一時扶助費という項目が加わるためです。ただし、ボーナスのように別枠で振り込まれるお金とは考え方が異なります。

12月の最低生活費が上がる仕組み

生活扶助の基準額は、年齢別の第1類費と世帯人員別の第2類費などを足して計算します。告示では、12月の基準生活費はこの算式で出した額に期末一時扶助費を加えた額とすると書かれています。

つまり、12月だけ「最低限度の生活に必要な額」の物差しが上がるのです。期末一時扶助費の額は、住んでいる地域の級地と世帯の人数で決まります。

受け取る額は最低生活費から収入を引いた差額

生活保護で支給されるのは、国が定める最低生活費から、年金や仕事の収入などを差し引いた差額です。年金を受け取っている人も、12月は最低生活費が上がるぶんだけ支給額が増えます。

生活保護を受けている人であれば、冒頭の声のように年金があっても12月の上乗せは受けられます。期末一時扶助費の額は、収入の有無で変わるものではないからです。

期末一時扶助費はひとり暮らしで「1万1240円から1万4500円」

では、期末一時扶助費は具体的にいくらなのでしょうか。告示の表から、1人世帯と2人世帯の額を級地別に並べました。

期末一時扶助費は、1人世帯で1万1240円から1万4500円、2人世帯で1万8310円から2万3640円

級地別・世帯人員別の期末一時扶助費
出所:厚生労働省「生活保護法による保護の基準」をもとにナビプラマネー編集部作成
  • 1級地-1:1人世帯1万4500円、2人世帯2万3640円
  • 1級地-2:1人世帯1万3850円、2人世帯2万2560円
  • 2級地-1:1人世帯1万3190円、2人世帯2万1510円
  • 2級地-2:1人世帯1万2550円、2人世帯2万450円
  • 3級地-1:1人世帯1万1890円、2人世帯1万9380円
  • 3級地-2:1人世帯1万1240円、2人世帯1万8310円

級地と世帯の人数で額が決まる

級地は、物価や生活水準の違いを反映するために市町村ごとに割り当てられた区分です。たとえば東京都の区部は、最も高い1級地-1に当たります。

3級地-2は、1級地から3級地-1までに挙げられていないすべての市町村です。同じひとり暮らしでも、級地によって期末一時扶助費には3260円の差があります。

年齢では額が変わらない

第1類費は年齢によって額が違いますが、期末一時扶助費の表には年齢の区分がありません。70歳のひとり暮らしでも30歳のひとり暮らしでも、同じ級地なら12月に加わる額は同じです。

【試算】70歳ひとり暮らしの12月の生活扶助はいくら

12月の生活扶助が実際にどのくらいになるのか、告示の基準額で計算してみます。前提は、70歳のひとり暮らしで、冬季加算がⅥ区(11月から3月)の地域に住んでいる場合です。

70歳ひとり暮らしの12月の生活扶助は、1級地-1で9万3880円、3級地-2で8万2720円

70歳ひとり暮らしの生活扶助の月額(級地別・月別)
出所:厚生労働省「生活保護法による保護の基準」をもとにナビプラマネー編集部作成
  • 4月から10月:1級地-1は7万6750円、3級地-2は6万8850円
  • 11月・1月から3月:1級地-1は7万9380円、3級地-2は7万1480円
  • 12月:1級地-1は9万3880円、3級地-2は8万2720円

計算の手順

1級地-1の場合、70歳の第1類費4万6460円と1人世帯の第2類費2万7790円を足すと7万4250円です。ここに特例加算2500円を加えた7万6750円が、冬季加算のない月の基準額になります。

11月から3月はⅥ区の冬季加算2630円が加わり、7万9380円です。12月はさらに期末一時扶助費1万4500円が加わるため、9万3880円となります。

3級地-2では第1類費が3万8560円のため、冬季加算のない月で6万8850円です。12月は冬季加算と期末一時扶助費1万1240円が加わり、8万2720円になります。

年金が月6万円ある場合の12月

冒頭の声のように年金が月6万円ほどの人が1級地-1に住んでいる場合、11月の生活扶助の差額は1万9380円です。12月は最低生活費が9万3880円に上がるため、差額は3万3880円になります。

実際の保護費には、家賃に当たる住宅扶助や、65歳以上の人の介護保険料の加算なども加わります。ここでの試算は生活扶助の部分だけを取り出したものです。

12月の生活扶助は、ひとり暮らしで1万1240円から1万4500円の期末一時扶助費が加わる分だけ増えます。毎月の支給額の内訳は、担当の福祉事務所で確かめられます。

太田 彩子
ナビプラマネー編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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