厚生年金の平均月額は15万289円、2か月分なら「30万578円」
では、12月15日には実際にいくらぐらいが振り込まれるのでしょうか。厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」で、平均と分布を確かめます。
男性は2か月で33万9934円、女性は22万2826円
厚生年金(第1号)の老齢年金の平均月額は、2025年3月末時点で15万289円です。この額には基礎年金の分も含まれています。
- 全体:月15万289円(2か月分で30万578円)
- 男性:月16万9967円(2か月分で33万9934円)
- 女性:月11万1413円(2か月分で22万2826円)
男性と女性では、2か月分で11万7108円の差があります。会社員として働いた年数や、そのころの給与の差が、年金の額にも表れています。
厚生年金(第1号)は、主に会社員として加入した人の年金です。公務員などの共済組合の期間がある人は、その分が別に支払われるため、この平均には入っていません。
同じ資料で、国民年金の老齢年金(老齢基礎年金など)の平均月額は5万9310円です。2か月分なら11万8620円で、厚生年金の平均の2か月分の半分に届きません。
2か月で30万円以上の人は49.8%
平均は、額の多い人に引き上げられやすい数字です。受給している人がどのあたりに多いかは、月額ごとの人数(分布)で見るとつかみやすくなります。
12月15日に振り込まれる厚生年金(2か月分・天引き前)の分布
- 全体:20万円未満 19.0%、20万〜30万円未満 31.2%、30万〜40万円未満 31.0%、40万円以上 18.8%
- 男性:20万円未満 9.3%、20万〜30万円未満 21.9%、30万〜40万円未満 41.3%、40万円以上 27.5%
- 女性:20万円未満 38.2%、20万〜30万円未満 49.5%、30万〜40万円未満 10.6%、40万円以上 1.7%
2か月で30万円以上を受け取る人は、全体の49.8%で、およそ半分です。男性では68.8%ですが、女性では12.3%にとどまります。
この分布には、65歳になる前で、報酬比例部分だけを受け取っている人も含まれています。ご自身の年金の月額を2倍にして、この分布と並べてみると、12月15日の振込額がどのあたりにあるかをつかめます。
年末年始の家計を、65歳以上の夫婦のみの無職世帯で確かめる
12月15日の2か月分で2月15日までを過ごすとき、出ていくお金はどのくらいでしょうか。総務省の「家計調査」で、年金で暮らす世帯の家計を見てみます。
ふだんの月でも、ひと月4万2434円の不足
家計調査の2025年平均によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、年金などの社会保障給付がひと月22万8614円です。これに対して、生活費にあたる消費支出は26万3979円でした。
税金や社会保険料(非消費支出)の3万2850円も合わせると、収入より支出のほうが多くなります。収入との差は、ひと月4万2434円の不足です。
この平均の家計を、12月15日から2月15日までの2か月分に直すと、次のようになります。
例)65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計を2か月分に直した場合 12月15日から2月15日までの収支
- 社会保障給付:45万7228円
- その他の収入:5万1562円
- 消費支出:52万7958円
- 非消費支出(税金・社会保険料):6万5700円
- 不足:8万4868円
※試算の前提:家計調査の2025年平均の月額を2倍にしたナビプラマネー編集部による試算です。年末年始に支出が増える分は含めていません。
65歳以上の単身の無職世帯でも、ひと月の不足は2万9980円でした。2か月分に直すと5万9960円になります。
平均の家計では、2か月でおよそ8万5000円を貯蓄などから取り崩す計算です。12月15日の振込だけで2月15日までの生活費をまかなうのは、平均の家計でも難しいことがわかります。
12月の支出は年平均より3万7521円多い
年末年始は、この平均よりも支出がふくらみがちです。家計調査で二人以上の世帯全体を見ると、2025年12月の消費支出は35万1522円でした。
2025年の平均は31万4001円なので、12月は3万7521円多くなっています。年金で暮らす世帯でも、帰省や贈りもの、冬の光熱費などで、12月の支出はふだんの月より増えると考えておくと安心です。
夫婦のみの無職世帯の平均では、交際費がひと月2万3257円、光熱・水道がひと月2万3540円です。12月はこうした費目が重なるので、2か月分のうち12月にいくら使うかを、先に決めておきたいところです。
地方公務員・保険代理店出身。証券外務員二種保有。自治体で国民健康保険の賦課や高額療養費、退職に伴う年金切り替え等の実務に従事。複雑な社会保障制度に精通し、現在は株式会社モニクルリサーチが運営する複数のWebメディアで年金・貯蓄・退職金等の情報を発信。