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生活保護の家具什器費は上限「3万6700円」。受給中に洗濯機が壊れたら、やりくりの貯金か生活福祉資金で

毎月の保護費で考えるのが基本

【受給中の故障】やりくりで貯めたお金と生活福祉資金

冒頭の相談者は、5年前から保護を受けていて、転居や入院の予定もありません。この場合、洗濯機の買い替えに家具什器費は使えないため、残る2つの道を確かめていきます。

保護費のやりくりで貯めたお金

生活保護を受けていても、貯金がまったく認められないわけではありません。厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」では、すでに支給された保護費をやりくりして貯めたお金の扱いが示されています。

まず、保護を受け始める前から持っていたお金ではないか、収入を申告せずに貯めたお金ではないかが確かめられます。そのうえで、使い道が生活保護の趣旨や目的に反しなければ、持っていてよいとされているのです。

家電の買い替えに備えて少しずつ取り分けておくことは、使い道として考えやすいものです。ただし、使い道が趣旨に反すると判断された貯金は、活用すべき資産として扱われることがあります。

貯める目的は、ケースワーカーに伝えておくと安心です。

社会福祉協議会の生活福祉資金

貯金が間に合わないときは、社会福祉協議会の生活福祉資金という貸付制度があります。低所得の世帯や、65歳以上の人がいる世帯などが対象で、窓口は市区町村の社会福祉協議会です。

日常の暮らしで一時的に必要になるお金は、このうち「福祉費」で借りることができます。厚生労働省が示す福祉費の主な条件は次のとおりです。

  • 利子:連帯保証人を立てれば無利子、立てなければ年1.5%
  • 据置期間:借りた日から6か月以内
  • 償還期限:据置期間が終わってから20年以内

借りる前に福祉事務所の承認を

生活保護では、借りたお金が収入として扱われ、その分だけ保護費が減ることがあります。そこで実施要領では、決まった種類の貸付けを、収入に数えないものとして定めています。

その1つが、日常生活で必要性の高い生活用品を急いで買うための、国や地方公共団体などの貸付けです。生活福祉資金も、世帯の自立更生(暮らしを立て直すこと)のために使うものに限って、この貸付けに含まれます。

ただし、収入に数えないのは、借りる前に福祉事務所の承認を受け、実際にその目的で使った場合です。どの貸付けが当てはまるかも含めて、福祉事務所で確かめることが欠かせません。

社会福祉協議会に申し込む前に、まずケースワーカーに相談しておきましょう。順番を逆にすると、借りたお金が収入として扱われるおそれがあります。

【試算】7万円の洗濯機を買い替えるには

では、冒頭の相談者が7万円の洗濯機を買い替える場合を、2つの方法で比べてみます。

※試算の前提は次のとおりです。

  • 保護を受けている途中で、家具什器費の5つの場面には当たらない
  • 洗濯機の価格は7万円(設置費込み)と仮定
  • 生活福祉資金は連帯保証人を立てた無利子とし、返済の月額は2000円と仮定(実際の月額は社会福祉協議会と決める)

例)72歳単身で7万円の洗濯機を買い替える場合 やりくりで貯めるか、生活福祉資金で借りるか

7万円の洗濯機を買い替える場合、保護費のやりくりで月5000円ずつ貯めると14か月で買える。生活福祉資金(無利子)で借りると、すぐに買え、据置期間6か月のあと月2000円ずつ35回で返し終わる
出所:厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧」などをもとにナビプラマネー編集部作成
  • やりくりで貯める:月5000円ずつ取り分けると14か月で7万円
  • 生活福祉資金で借りる:すぐに買え、据置期間6か月のあと月2000円ずつ35回(2年11か月)で返し終わる

貯める方法は時間がかかる

やりくりで貯める方法は、返す必要がありません。一方で、月5000円ずつでも1年以上かかり、その間はコインランドリー代などがかさみます。

そのため、壊れてから貯め始めるより、ふだんから少しずつ取り分けておくほうが向いています。10年ほど使った家電があるなら、次の買い替えに備えておくとよいでしょう。

借りる方法は返済が続く

生活福祉資金で借りると、すぐに洗濯機を買えます。ただし、返し終わるまでの約3年間は、毎月の保護費から返済分を取り分けることになります。

連帯保証人を立てられない場合は年1.5%の利子がかかり、返す額は7万円より少し増えます。保証人を頼める家族がいるかどうかも、借りる前に考えておきたい点です。

冒頭の相談者のように急に壊れて困っている場合は、借りる方法が現実的です。そのときも、借りる前に福祉事務所の承認を受けることを忘れないようにしましょう。

まとめにかえて

生活保護の家具什器費は、保護を受け始めたときや転居したときなど、5つの場面に限って出る一時扶助です。受給中に家電が古くなって壊れたときは、やりくりで貯めたお金か、生活福祉資金での借入れが中心になります。

どの方法を使う場合も、最初の相談先は担当のケースワーカーです。家電が壊れたら、買い替える前に福祉事務所に連絡し、使える制度を一緒に確かめてください。

太田 彩子
ナビプラマネー編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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