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年金生活者支援給付金は令和8年度に月5620円へ増額、納付済み480月で年額2040円増。10月からの所得上限82万6500円と収入別の月額を試算
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年金生活者支援給付金は令和8年度に月5620円へ増額、納付済み480月で年額2040円増。10月からの所得上限82万6500円と収入別の月額を試算

納付済み月数と免除期間で変わる月額の計算式と、前年の収入が上限を超えたときの補足的給付を、日本年金機構と厚労省の資料から整理

年金生活者支援給付金は令和8年度に月5620円へ増額、納付済み480月で年額2040円増。10月からの所得上限82万6500円と収入別の月額を試算
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令和8年10月1日、年金生活者支援給付金の所得基準額が改定されました。昭和31年4月2日以後に生まれた人の場合、老齢年金生活者支援給付金の対象になるのは、前年の収入が82万6500円以下の人です。年金を中心に暮らす65歳以上の方にとって、自分がこの線のどちら側にいるのかは気になるところです。

ここでは、厚生労働省と日本年金機構が公表する令和8年10月時点の資料をもとに、令和8年度の月額5620円が、納付済み月数ごとにいくらになるのかを試算します。10月の改定で、前年の収入が同じでも受け取れる額がどう変わるのかも、あわせて確かめます。

※編集部:本記事は、厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」(令和8年10月時点)と、日本年金機構の案内(2026年4月1日・10月1日更新)に基づく整理です。試算の納付済み月数と前年の収入は、公表された計算式に当てはめるための仮の条件です。実際の支給額は、日本年金機構から届く通知で確認してください。

令和8年度の基準額は月5620円で、前年度の5450円から170円増えた

日本年金機構によると、年金生活者支援給付金は、物価の変動に応じて金額を改定する仕組みです。令和7年の物価変動率が3.2%の上昇だったため、令和8年度の給付基準額は3.2%の引き上げとなりました。

老齢年金生活者支援給付金の月額は、給付基準額に、保険料納付済期間を480月で割った割合を掛けて決まります。令和7年度の基準額5450円が令和8年度は5620円になり、納付済みが480月の人は、月額で170円、年額にすると2040円の増額です。

納付済みの月数が短い人は、増える額も小さくなります。次の表は、日本年金機構が示した計算例に、同じ式で計算した編集部試算を加えたものです。

【令和8年度の年金生活者支援給付金はいくら増えた?納付済み月数別に令和7年度と比べた月額の早見表】

昭和31年4月2日以後生まれ・老齢年金生活者支援給付金の月額。360月と240月は、計算式に当てはめた編集部試算(円未満は日本年金機構の端数処理に準拠)

昭和31年4月2日以後生まれ・老齢年金生活者支援給付金の月額。360月と240月は、計算式に当てはめた編集部試算(円未満は日本年金機構の端数処理に準拠)

納付済み月数ごとの月額(令和7年度から令和8年度)

  • 480月:5450円から5620円(プラス170円)
  • 420月:4769円から4918円(プラス149円)
  • 360月(編集部試算):4088円から4215円(プラス127円)
  • 240月(編集部試算):2725円から2810円(プラス85円)
  • 240月と全額免除60月:4169円から4281円(プラス112円)

年額に直すと、増額は480月で2040円、420月で1788円、360月で約1524円、240月で1020円です。全額免除60月を含む4281円の例では、1344円の増額になります。

家計全体から見ると、大きな金額ではありません。むしろ人によって影響が大きいのは、次に見る「対象に入るかどうか」を分ける所得の上限の動きです。

免除期間がある人は計算式が別で、免除1か月あたりの額は納付済みの約2.1倍

保険料の免除期間がある人は、給付額が2つの合計額になります。納付済み期間の分は5620円を、免除期間の分は1万1768円を基準に、それぞれ期間を480月で割った割合を掛けます。

1万1768円は、令和8年度の老齢基礎年金の満額(昭和31年4月2日以後生まれの年額84万7300円)の月額の、6分の1にあたる額です。保険料全額免除、4分の3免除、半額免除の期間はこの額、4分の1免除の期間はその半分の5884円です。

昭和31年4月1日以前に生まれた人は、全額免除・4分の3免除・半額免除の期間が1万1734円、4分の1免除の期間が5867円になります。

1万1768円は5620円の約2.1倍です。そのため、同じ480月でも、内訳によって月額が変わります。日本年金機構の例と、同じ計算式で試算した例を並べます。

  • 納付済み240月と全額免除60月:2810円と1471円の合計で4281円(日本年金機構の例)
  • 納付済み360月と全額免除120月:4215円と2942円の合計で7157円(編集部試算)
  • 納付済み240月と全額免除240月:2810円と5884円の合計で8694円(編集部試算)

納付済み期間や免除期間の月数は、年金証書や支給額変更通知書で確認できると、日本年金機構が案内しています。自分の内訳が分からないまま、480月の5620円を前提にしないことが大切です。

10月1日に所得の上限が引き上げられ、老齢の場合は80万9000円から82万6500円になった

老齢年金生活者支援給付金が支給されるのは、65歳以上で老齢基礎年金を受けている人のうち、世帯全員の市町村民税が非課税で、前年の年金収入金額とその他の所得の合計が基準額以下の人です。障害年金・遺族年金などの非課税収入は、この合計に含まれません。

この基準額が、令和8年10月1日に引き上げられました(厚生労働省の通知は令和8年7月8日付)。令和8年10月分から令和9年9月分までの給付金を請求する場合、「前年」は令和7年として判定されます。

【令和8年10月から上限が引き上げ、年金生活者支援給付金の所得基準額を改定前と比べた早見表】

前年の年金収入金額とその他の所得の合計の上限。改定前は日本年金機構(2026年4月1日更新)、10月以降は同機構(2026年10月1日更新)と厚生労働省(令和8年10月時点)の案内

前年の年金収入金額とその他の所得の合計の上限。改定前は日本年金機構(2026年4月1日更新)、10月以降は同機構(2026年10月1日更新)と厚生労働省(令和8年10月時点)の案内

生まれと給付金の種類ごとの上限(改定前から10月から)

  • 昭和31年4月2日以後・老齢:80万9000円から82万6500円(1万7500円の引き上げ)
  • 昭和31年4月2日以後・補足的:90万9000円から92万6500円(1万7500円の引き上げ)
  • 昭和31年4月1日以前・老齢:80万6700円から82万4100円(1万7400円の引き上げ)
  • 昭和31年4月1日以前・補足的:90万6700円から92万4100円(1万7400円の引き上げ)

上限を超えた人が、すべて対象外になるわけではありません。老齢の上限を超えても補足的の上限以下であれば、補足的老齢年金生活者支援給付金が支給されます。

前年の収入が同じなら、10月の改定で月額は最大で約980円増える(納付済み480月の試算)

補足的老齢年金生活者支援給付金は、5620円に納付済み期間の割合を掛けた額に、調整支給率を掛けて決まります。昭和31年4月2日以後に生まれた人の調整支給率は、(92万6500円-前年の年金収入金額とその他の所得の合計)÷10万円です。

例えば、前年の収入が85万円の人は、(92万6500円-85万円)÷10万円で調整支給率が0.765になり、月額は約4299円です。改定前の上限(90万9000円)の式なら調整支給率は0.59で、約3316円でした。

次の表は、納付済みが480月の人が、前年の収入が同じだったと仮定して、改定前の基準と10月からの基準で月額がどう変わるかを比べた編集部試算です。

【前年の収入が82万円・85万円・90万円・92万円だったら?令和8年10月前後で変わる月額を比べた試算】

前年の収入ごとの月額(改定前の基準から10月からの基準)

  • 81万円:約5564円から5620円
  • 82万円:約5002円から5620円
  • 85万円:約3316円から約4299円
  • 90万円:約506円から約1489円
  • 92万円:対象外から約365円

85万円と90万円のケースでは、どちらも約980円の増加です。調整支給率が、上限の引き上げ幅1万7500円を10万円で割った0.175だけ大きくなるためです。収入が82万6500円以下の場合は、満額の5620円になります。

この比較は、同じ収入だったと仮定したものです。実際には、令和8年10月分からは令和7年の収入で判定されるため、収入が前年から変わっている人は、結果も変わります。

【編集者の視点】

日本年金機構のページは、更新日が違うものが並んでいます。2026年4月1日更新のFAQには改定前の80万9000円が、2026年10月1日更新の概要ページには82万6500円が書かれています。どちらも、その時点では正しい数字です。

古い基準額を見て「自分は上限を超えている」と判断してしまうと、本来は対象になる収入帯でも、確認しないままになりかねません。ページの更新日と、その数字が令和8年10月の改定の前か後かを、先に見てください。

もう1つ、見落としやすいのが世帯の要件です。本人の収入が基準額以下でも、同じ世帯の誰かの市町村民税が課税になっていると、対象になりません。世帯の状況が変わった年は、特に確認が必要です。

自分が対象かどうかは、日本年金機構から届く請求書や支給額変更通知書で確認できます。分からないときは、年金事務所か、給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)に、前年の収入と世帯の状況を伝えて相談してください。

手続きは請求書の提出が起点で、要件を満たせば2年目以降は原則不要

日本年金機構の案内では、請求書は65歳の誕生日の前日以降に提出します。課税証明書などの添付は、市町村から所得情報の提供を受けられるため、基本的に不要です。

支給の要件を満たしていれば、2年目以降の手続きは原則不要です。要件を満たさなくなった場合は、給付金が支給されず、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が送られます。給付額が改定されたときは、「年金生活者支援給付金支給金額改定通知書」が届きます。

封筒が届いた人でも、次のどれかに当てはまると給付金は支給されません。日本国内に住所がないとき、年金が全額支給停止のとき、刑事施設等に拘禁されているときです。国内に住所がない場合と拘禁の場合は、届出が必要です。

障害・遺族の給付金は所得の上限と月額が別で、老齢とは条件が違う

老齢のほかに、障害基礎年金を受けている人には障害年金生活者支援給付金、遺族基礎年金を受けている人には遺族年金生活者支援給付金が支給されます。どちらも、前年の所得が491万8000円以下であることが要件で、扶養親族等の数に応じて上限が増えます。

  • 障害年金生活者支援給付金:2級は月額5620円、1級は月額7025円
  • 遺族年金生活者支援給付金:月額5620円(子が2人以上の場合は人数で割る)

遺族年金の場合、3人の子が遺族基礎年金を受けていれば、1人あたりは5620円÷3で1873円です。障害年金・遺族年金などの非課税収入は、判定に使う所得に含まれません。

検証:令和8年度の改定を、数字で確かめる

令和8年度の増額を年額で見ると、納付済み480月でも2040円、240月なら1020円です。物価の上昇を反映した改定ですが、家計の負担が目に見えて軽くなる金額とは言いにくいと考えます。

一方、10月1日の所得基準額の引き上げは、1万7500円(昭和31年4月1日以前生まれは1万7400円)です。前年の収入がこの幅の中にある人は、改定前の基準では対象外か、補足的の少ない額だった可能性があります。試算では、92万円のケースで、対象外から約365円になりました。

金額の小さい給付金ですが、対象になれば、毎年の請求手続きが原則不要になる点も見逃せません。逆に、対象外と思い込んで一度も確認しなければ、受け取れる可能性を自分で閉じてしまいます。

4月の改定は物価に連動した給付基準額、10月の改定は所得の上限です。2つは別の改定なので、記事や案内の数字を見るときは、どちらの話か、いつ時点の数字かを分けて読む必要があります。

私は、年金生活者支援給付金については、増額の金額そのものよりも、前年の収入がどの線のどちら側にあるかを先に確かめることが、家計への影響を見誤らないために役立つと考えています。

【編集者の視点】

確認の順序は、①世帯全員が市町村民税非課税か、②前年の年金収入とその他の所得の合計が、自分の生まれに当てはまる上限のどちら側か、③納付済み期間と免除期間の内訳、の3つです。この順で見ると、対象かどうかと、おおよその月額が分かります。

制度に関わる細目や、自分の収入がどの区分に当たるかは、日本年金機構か年金事務所で確認する必要があります。給付金専用ダイヤルの受付は、月曜日が午前8時30分から午後7時まで、火曜日から金曜日が午前8時30分から午後5時15分まで、第2土曜日が午前9時30分から午後4時までです。祝日(第2土曜日を除く)と12月29日から1月3日は利用できません。

※本記事は、編集部が日本年金機構と厚生労働省が公表する公式の最新一次資料を直接確認の上、執筆・検証しています。

まとめ

  • 令和8年度の給付基準額は5620円で、令和7年度の5450円から、物価変動率3.2%の上昇を受けて引き上げられました
  • 納付済み480月の人の増額は月170円(年2040円)で、納付済み月数が短いほど増える額も小さくなります
  • 免除期間の分は1万1768円が基準で、1か月あたりの額は納付済みの約2.1倍です
  • 令和8年10月1日に、老齢の所得基準額は82万6500円(昭和31年4月1日以前生まれは82万4100円)に引き上げられました
  • 対象に入るかは、世帯全員の非課税と、前年の収入が上限のどちら側かで決まります

令和8年度の改定は、金額の増加よりも、対象になるかどうかの線が動いたことの方が、人によっては大きな意味を持ちます。4月の基準額と10月の所得基準額が別々に改定されていることを、分けて見ておくと、数字の読み違いを減らせます。

まずは、日本年金機構から届く通知で納付済み期間と免除期間を確かめ、前年の収入が、自分の生まれに当てはまる上限のどちら側かを確認してください。不明な点は、年金事務所か給付金専用ダイヤルで相談できます。

よくある質問

Q. 年金生活者支援給付金は、令和8年度にいくら増えましたか?

A. 給付基準額(月額)は、令和7年度の5450円から令和8年度の5620円に引き上げられました。日本年金機構は、令和7年の物価変動率3.2%の上昇を反映した改定と案内しています。納付済みが480月の人は、月額で170円、年額で2040円の増額です。

Q. 10月の改定で、所得の上限はいくらになりましたか?

A. 昭和31年4月2日以後に生まれた人は、老齢年金生活者支援給付金が82万6500円以下、補足的老齢年金生活者支援給付金が92万6500円以下です。昭和31年4月1日以前に生まれた人は、それぞれ82万4100円以下、92万4100円以下です。

Q. 上限を少し超えていると、受け取れませんか?

A. 老齢の上限を超えていても、補足的の上限以下であれば、補足的老齢年金生活者支援給付金が支給されます。金額は、前年の収入に応じた調整支給率で変わります。

Q. 請求の手続きは毎年必要ですか?

A. 支給の要件を満たしていれば、2年目以降の手続きは原則不要です。要件を満たさなくなった場合は、給付金が支給されず、不該当通知書が送られます。

Q. 日本年金機構から封筒が届いたのに、支給されないことはありますか?

A. 日本国内に住所がないとき、年金が全額支給停止のとき、刑事施設等に拘禁されているときは、支給されません。国内に住所がない場合と拘禁の場合は届出が必要です。給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)や年金事務所に相談できます。

参考資料

齊藤 慧
ナビプラマネー編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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