認可外保育施設の保育料は、無償化の対象になるのでしょうか。認可保育所に入れず認可外保育施設に通う場合、毎月の保育料がどこまで軽くなるのかは気になるところです。
行政の現場を取材してきた立場から見ると、この制度は「施設が対象になっているか」と「子どもが認定を受けているか」の2つがそろって初めて使える点が特徴です。ここでは、こども家庭庁の資料をもとに、対象になる条件と手続きを整理します。
あわせて、認可外保育施設の平均的な利用料をもとに、認定を受けた場合と受けない場合の年間の負担を試算し、認可保育所に通う場合とも比べます。
※月4万7582円は、こども家庭庁「令和6年 地域児童福祉事業等調査結果の概況」の「その他の認可外保育施設」に通う4歳の子の平均月額利用料(給食費・延長料金を含む)です。
認可外保育施設の保育料も無償化の対象?3〜5歳クラスなら月3万7000円まで、届出をして国の基準を満たす施設が対象
こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化概要」によると、認可保育所や認定こども園などを利用できていない子が認可外保育施設に通う場合も、保育の必要性の認定を受ければ、保育料が無償化の対象になります。
- 【3〜5歳クラス】月3万7000円まで(満3歳になった後の最初の4月1日から小学校入学前までの3年間)
- 【0〜2歳クラス】住民税非課税世帯に限り月4万2000円まで
- 【対象になる施設】都道府県などに届出をし、国の基準(認可外保育施設指導監督基準)を満たす施設。一時預かり事業、病児保育事業、ファミリー・サポート・センター事業も対象
月3万7000円という上限は、認可保育所の保育料の全国平均額にそろえた額です(こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化に関する自治体向けFAQ」)。同じFAQによると、基準を満たさない施設も対象にしていた5年間の猶予は2024年9月末で終わり、同年10月からは基準を満たすことが必要です。
ただし、基準を満たすのに相当の期間がかかり、認可保育所などへの転園も難しい施設については、都道府県知事が個別に指定して対象とみなす経過措置が2029年度末(令和11年度末)まで設けられています。市区町村は、対象として確認した施設を公示しています。
無償化の対象外の費用もあります。食材料費、通園送迎費、行事費などは、これまでどおり保護者の負担です。なお、幼稚園に通う子の預かり保育は別の枠で、保育の必要性の認定を受けたうえで月1万1300円までが無償化の上限です。
無償化に必要な手続きは?市区町村の「施設等利用給付認定」で、申請した日より前にはさかのぼらない
認可外保育施設の保育料が無償化されるには、お住まいの市区町村で保育の必要性の認定(施設等利用給付認定。3〜5歳クラスは新2号認定)を受ける必要があります。認定を受けないまま通っている間の保育料は、全額が自己負担です。
- 【保育の必要性の主な事由】就労、妊娠・出産、保護者の病気や障害、家族の介護・看護、求職活動、就学など
- 【就労の時間の基準】月48〜64時間の範囲で、市区町村ごとに決められている
- 【認定の始まり】申請した後に初めて施設を利用した日か、認定日のどちらか早い日。申請日より前にはさかのぼらない
支払いの方法は、保護者がいったん施設に全額を払い、あとで市区町村に請求して戻ってくる「償還払い」と、施設が保護者に代わって受け取る方法があり、どちらにするかは市区町村と施設で決めます。償還払いでは、施設が出す提供証明書や領収書などを付けて請求します。
認可保育所の入所申込みで受けた認定との関係や、必要な届け出の書類も、市区町村によって手続きが異なります。
保育料の無償化で年間の負担はいくら違う?認可外保育施設に通う4歳の平均利用料(給食費込み)なら、認定を受けた場合は年約12.7万円、受けない場合は年約57.1万円で差は約44.4万円
こども家庭庁「令和6年 地域児童福祉事業等調査結果の概況」によると、「その他の認可外保育施設」(事業所内保育施設・ベビーホテル・ベビーシッター以外の認可外保育施設)の平均月額利用料は、3歳で4万7209円、4歳で4万7582円、5歳で4万7617円です。どの年齢も、上限の3万7000円を超えています。
認可外保育施設に通う4歳の平均月額利用料4万7582円(給食費込み)をもとに、共働き世帯が保育の必要性の認定を受けた場合と受けない場合の年間の負担を比べました。
- 【認定を受けない場合】月約4万7582円、年約57.1万円
- 【認定を受けた場合】月約1万582円、年約12.7万円(月3万7000円が無償化)
- 【差】年約44.4万円(3〜5歳クラスの3年間、毎年同じ差なら約133.2万円)
※試算の前提:こども家庭庁「令和6年 地域児童福祉事業等調査結果の概況」の「その他の認可外保育施設」に通う4歳の子の平均月額利用料(2024年10月1日時点。給食費・延長料金を含み、入会金・おむつ代などを除く)で計算。食材料費など無償化の対象外の費用は月1万582円以下とし、対象となる保育料が上限の3万7000円以上の場合としています。自治体独自の補助は含めていません。
認可外保育施設に4歳の子が通う場合の年間の負担(試算)
利用料は施設によって大きく違います。同じ調査で4歳の利用料の分布を見ると、「3〜5万円未満」が39.7%と最も多い一方、「3万円未満」も合わせて23.3%あります。保育料が月3万7000円より低い場合、無償化されるのは実際に払った保育料(対象外の費用を除く)の分までです。
元厚労省担当の専門紙の新聞記者。公的社会保障(年金・医療・介護)やNISA・iDeCoを横断分析。難解な一次データを生活者視点に翻訳し、知っておきたい家計防衛の知見と、安全で実用的な情報を提供。