世帯構成が変わったときの年金生活者支援給付金の請求
長男の転居などで母の世帯構成が変わったときは、給付金の扱いも変わることがあります。ここでは、そのときの手続きを確かめます。
自分で請求する必要がある
日本年金機構の「年金Q&A」によると、世帯構成の変更などで支給要件を満たすようになった場合は、本人が認定請求の手続きをする必要があります。世帯が変わったことが分かっても、給付金が自動で始まるわけではありません。
給付金専用ダイヤルや年金事務所に問い合わせると、請求書の出し方を案内してもらえます。請求書は年金事務所に出すほか、郵送でも提出できます。
請求した月の翌月分から
世帯構成が変わったあとに請求した場合、給付金は請求した月の翌月分から支給されます。たとえば2025年10月1日以降に世帯構成が変わり、同じ世帯に課税されている人がいなくなった場合も、請求書を出せば受給できるというのが日本年金機構の案内です。
原則として、請求が遅れた月の分はさかのぼって受け取れません。世帯構成が変わったら、早めに手続きをしておくと安心です。
判定は毎年やり直す
給付金は毎年、その時点で日本年金機構が把握している世帯の状況と、前年の所得をもとに判定し直されます。いまは同じ世帯に課税の人がいて対象外でも、世帯の状況や長男の課税の状況が変われば、翌年以降に対象となることがあります。
反対に、すでに受け取っている人の世帯に課税の人が加わると、不該当となり給付金が止まることもあります。親を呼び寄せて同じ世帯になる場合も、同じように考えておく必要があります。
世帯分離と年金生活者支援給付金の注意点
同じ家に住んだまま住民票の世帯を分ける「世帯分離」を考える方もいるでしょう。給付金との関係で押さえておきたい点を確かめます。
扱いは市区町村ごとに異なる
住民票の世帯の届け出の扱いは、市区町村ごとに異なります。たとえば佐賀県多久市では、住所変更や世帯分離、死亡などで非課税世帯になり支給要件を満たしたときは、早めに請求手続きをするよう案内しています。
世帯をどう分けられるかは、届け出の先になるお住まいの市区町村で確かめる必要があります。自分の家の場合にどうなるかは、窓口で生活の状況を伝えて相談するのが確実です。
給付金のために世帯を分けない
世帯分離は、給付金を受け取るための手段として勧められるものではありません。給付金の額だけを理由に届け出を変える、という考え方はしないようにしましょう。
世帯の分け方は、給付金のほかの制度の手続きにも関わることがあります。届け出を考えるときは、どの制度に影響するかを市区町村の窓口でまとめて確かめておきましょう。
まとめにかえて
年金生活者支援給付金は、子どもと同じ家に住んでいるだけで受け取れなくなるものではありません。法令が要件にしているのは、本人を含む同じ世帯の全員の市町村民税が非課税であることです。
冒頭の声のように、保険料を426月納めた78歳の母なら、世帯に課税の人がいなければ月4988円の試算になりました。一方、住民税を払う長男と同じ世帯なら、母の年金が年75万円ほどでも給付金は支給されません。
母が対象になるかを確かめたいときは、給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)か近くの年金事務所に問い合わせると確実です。世帯の届け出については、お住まいの市区町村の窓口で相談しておくと、手続きの順番を間違えずに済みます。
地方公務員・保険代理店出身。証券外務員二種保有。自治体で国民健康保険の賦課や高額療養費、退職に伴う年金切り替え等の実務に従事。複雑な社会保障制度に精通し、現在は株式会社モニクルリサーチが運営する複数のWebメディアで年金・貯蓄・退職金等の情報を発信。