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【生活保護】高校生のアルバイト代は全額引かれない。月3万円で保護費が減るのは「1700円」、進学費用にあてる分は収入に数えないことも

【試算】月2万円・3万円・5万円の収入で保護費が減る額

【試算】月2万円・3万円・5万円の収入で保護費が減る額

ここからは、親が病気で働けない4人世帯を例に、高校生の子どものアルバイト代によって保護費がいくら減るのかを試算します。

試算の前提

父が病気で働けず、母も働いていない4人世帯で、高校2年の娘だけがアルバイトをしていると仮定します。娘は世帯でただ1人の就労者なので、基礎控除額表の「1人目」の欄を使います。

通勤の交通費や、就学費用として収入から外す分はないものとしました。基礎控除と20歳未満控除を差し引いた残りが、保護費から減る額になります。

例)世帯でただ1人働く高校生の場合 アルバイト代で保護費が減る額(2026年10月時点)

生活保護を受ける世帯で、ただ1人働く高校生のアルバイト代から差し引かれる控除と、保護費が減る額の試算。月2万円なら基礎控除1万5600円と20歳未満控除1万1900円で控除が収入を上回り、保護費は減らない。月3万円なら基礎控除1万6400円と20歳未満控除1万1900円の計2万8300円を引いた1700円だけ保護費が減る。月5万円なら基礎控除1万8400円と20歳未満控除1万1900円の計3万300円を引いた1万9700円が減る。交通費などの実費はないものと仮定。
出所:厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」をもとにナビプラマネー編集部作成
  • 月2万円:基礎控除1万5600円+20歳未満控除1万1900円=2万7500円。保護費が減る額は0円
  • 月3万円:基礎控除1万6400円+20歳未満控除1万1900円=2万8300円。保護費が減る額は1700円
  • 月5万円:基礎控除1万8400円+20歳未満控除1万1900円=3万300円。保護費が減る額は1万9700円

月3万円なら減るのは1700円

月2万円のアルバイトなら、2つの控除の合計2万7500円が収入を上回るため、保護費は減りません。月3万円では控除の合計が2万8300円で、保護費が減るのは差額の1700円です。

月5万円になると、控除の合計3万300円を引いた1万9700円が保護費から減ります。それでもアルバイト代のうち3万300円は、世帯の手元に多く残る計算です。

ほかに働く家族がいる場合

母がパートで娘より多く稼いでいるなど、ほかに働く家族がいる場合は、娘は「2人目以降」の欄を使います。2人目以降の欄では、収入が4万2999円までなら基礎控除は1万5000円です。

この場合、月3万円のアルバイト代から引かれるのは基礎控除1万5000円と20歳未満控除1万1900円の計2万6900円です。保護費が減る額は3100円になり、1人目の場合より1400円多くなります。

卒業後の進学や就職に備える

最後に、アルバイト代を卒業後のために残しておく方法と、卒業時に受け取れる給付金を確かめます。

アルバイト代を貯めておける場合

課長通知の問58の2では、高校卒業後の就労や早期の保護脱却に役立つ経費にあてる分を、収入として認定しない扱いを示しています。本人の希望や意思がはっきりしていて、学業に支障がないことが前提です。

対象になるのは、自動車運転免許の取得費や、専修学校・大学の受験料と入学料・前期授業料、就職活動の費用などです。具体的な自立更生計画を出して福祉事務所が前もって認め、そのお金を別に管理して定期的に報告することが条件になります。

生活保護世帯の高校生のアルバイト代のうち収入として認定しないもの

厚生労働省の課長通知「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第8の問58と問58の2の要約。就学のための費用として、私立高校の授業料の不足分、修学旅行費、学習塾費、クラブ活動費(学習支援費で足りない分)にあてる必要最小限度の額は収入として認定しない。卒業後の就労や早期の保護脱却に役立つ経費として、自動車運転免許などの技能修得費、専修学校・各種学校・大学の受験料と入学料・前期授業料、就労や就学に伴う転居費用、就職活動の費用などにあてる額も、自立更生計画を福祉事務所が事前に承認し、別に管理して定期的に報告すれば収入として認定しない。承認した目的以外に使うと返還を求められることがある。
  • 就学のための費用:私立高校の授業料の不足分、修学旅行費、学習塾費、クラブ活動費(学習支援費で足りない分)
  • 卒業後の就労や保護脱却に役立つ経費:自動車運転免許などの技能修得費、専修学校・各種学校・大学の受験料と入学料・前期授業料、就労や就学に伴う転居費用、就職活動の費用 など
  • 卒業後の経費の条件:自立更生計画を福祉事務所が事前に承認、別に管理して定期的に報告

認められた目的以外にお金を使うと、収入として認定しなかった額の返還を求められることがあります。使い道が変わりそうなときは、先に福祉事務所に相談しておきましょう。

進学・就職準備給付金

高校などを卒業して大学などに進学するときや、2024年の法改正で対象に加わった就職のときには、進学・就職準備給付金を受け取れます。厚生労働省の資料によると、額は自宅を出る場合が30万円、自宅から通う場合が10万円です。

就職の場合は、安定した職業に就くことが見込まれることなどが条件です。対象になるかどうかや申請の時期は、卒業の前年度のうちに福祉事務所で確かめておくと安心です。

4人世帯の例に当てはめると

この例のように高校生の子どもが世帯でただ1人のアルバイトなら、月3万円を稼いでも保護費が減るのは1700円です。2万8300円は世帯の手元に多く残るため、アルバイト代がそのまま差し引かれるわけではありません。

そのうえで、修学旅行費や卒業後の免許・受験の費用にあてる計画を立てれば、さらに収入として数えない扱いを受けられる場合があります。

まとめにかえて

生活保護世帯の高校生のアルバイト代は、基礎控除と月1万1900円の20歳未満控除を差し引いた残りだけが収入として認定されます。世帯でただ1人働く高校生なら、月3万円で保護費が減るのは1700円という試算でした。

アルバイトを始めたら、まず担当のケースワーカーに収入を届け出てください。あわせて、修学旅行や卒業後の進学・就職にお金を使う予定があれば、収入として数えない扱いを受けられるか、住んでいる地域を担当する福祉事務所で相談してみてください。

太田 彩子
ナビプラマネー編集部記者株式会社モニクルリサーチ

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