パートの収入が年金生活者支援給付金に反映される時期
試算で見た判定は、いつの収入をもとにしているのでしょうか。パートを始めたり勤務を増やしたりしたときに、給付金にいつ響くかを確かめます。
判定は前年の所得
年金生活者支援給付金は、1年ごとに前年の所得をもとに支給を判定します。厚生労働省の「年金生活者支援給付金制度 よくあるご質問(Q&A)」でも、2026年度の判定の結果は2026年10月分から2027年9月分まで反映されると案内しています。
2026年10月分からの給付金は、2025年1月から12月までの年金収入と給与所得で決まります。年の途中でパートの勤務を増やしても、いま受け取っている給付金の額がすぐに変わるわけではありません。
2026年に働いた分は2027年10月分から
2026年中に受け取ったパートの給与は、2027年10月分からの判定に使われます。2026年の年収が基準を超える水準になれば、2027年10月分から補足的老齢年金生活者支援給付金に切り替わったり、給付金が止まったりします。
反対に、2025年は基準を超えていても、2026年に勤務を減らして基準内に収まれば、2027年10月分から対象に戻ることがあります。ただ、いったん対象から外れた人は、あらためて請求の手続きが必要です。
働きながら年金生活者支援給付金を受け取るときの注意点
パート年収の目安だけで判断すると、見落としやすい点が3つあります。
世帯の住民税も要件
所得の合計が基準内でも、世帯の中に市町村民税がかかっている人が1人でもいれば、給付金は受け取れません。同居する子どもに住民税がかかっている場合なども同じです。
本人の住民税が非課税かどうかは、所得の合計や扶養の状況をもとに、お住まいの市区町村が決めます。お住まいの市区町村で取れる非課税証明書で確かめられます。
遺族年金と障害年金は数えない
遺族年金や障害年金は税金のかからない収入なので、年金収入にも所得にも数えません。たとえば遺族厚生年金を受けながらパートで働く人は、老齢基礎年金などの課税される年金の額と給与所得の合計で判定します。
年金収入の額は、日本年金機構から毎年1月ごろに届く公的年金等の源泉徴収票で確かめられます。遺族年金や障害年金は、この源泉徴収票の金額には入っていません。
給与以外の所得も合計に入る
施行令が使う合計所得金額には、給与所得のほか、事業の所得や不動産の所得なども含まれます。パート代が少なくても、ほかの所得があれば、その分も合計に加わります。
給与所得が年をまたいで変わりやすい人は、年明けに届く源泉徴収票を手元に残しておくと安心です。翌年10月分からの判定の見当をつける材料になります。
まとめにかえて
年金生活者支援給付金は、年金とパート代を単純に足して判定するものではありません。年金は収入の額のまま、パート代は給与所得控除を引いた給与所得で数え、その合計が2026年10月分からは92万6500円以下なら対象になります。
冒頭の声のように年金収入70万円、パート年収80万円の人なら、所得の合計は85万円です。保険料を34年納めていて世帯の住民税が非課税なら、補足的老齢年金生活者支援給付金で月3654円を受け取れる試算になりました。
自分の場合の判定が分からないときは、給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)か近くの年金事務所に問い合わせると確実です。ねんきん定期便で保険料を納めた月数を、源泉徴収票で前年の収入を確かめてから相談すると、話が早く進みます。
地方公務員・保険代理店出身。証券外務員二種保有。自治体で国民健康保険の賦課や高額療養費、退職に伴う年金切り替え等の実務に従事。複雑な社会保障制度に精通し、現在は株式会社モニクルリサーチが運営する複数のWebメディアで年金・貯蓄・退職金等の情報を発信。