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iDeCoは60歳以降も続けられる?12月1日から70歳まで加入できるが、65歳で老齢基礎年金を受け取ると対象外。繰り下げれば掛金を出し続けられる
polkadot_photo/shutterstock.com
確定拠出年金(DC)

iDeCoは60歳以降も続けられる?12月1日から70歳まで加入できるが、65歳で老齢基礎年金を受け取ると対象外。繰り下げれば掛金を出し続けられる

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iDeCoは60歳以降も続けられる?12月1日から70歳まで加入できるが、65歳で老齢基礎年金を受け取ると対象外。繰り下げれば掛金を出し続けられる
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iDeCoは「60歳まで」の制度だと思っている人は、いまも少なくありません。60歳以降も働く人が増えるなか、iDeCoを60歳以降も続けられるのか、何歳まで掛金を出せるのかは、50歳代後半から気になるところです。

確定拠出年金の講師をしていた経験からお伝えすると、60歳以降の加入は「国民年金のどの立場にいるか」と「年金を受け取り始めたか」で決まります。ここでは、いまのルールと、2026年12月1日から予定されている加入できる年齢の引き上げを、厚生労働省の資料をもとに確認します。

とくに、改正後は65歳で老齢基礎年金を受け取り始めると、iDeCoに加入できなくなります。老齢基礎年金を65歳で受け取る場合と、70歳まで繰り下げる場合で、年金額とiDeCoの扱いがどう変わるかも試算します。

※老齢基礎年金の月7万608円は、厚生労働省「令和8年度の年金額改定について」の満額(昭和31年4月2日以後生まれ)です。

iDeCoは60歳以降も続けられる?いまは会社員と国民年金の任意加入者なら65歳になるまで

iDeCoに60歳以降も加入できるのは、2022年5月からです。国民年金基金連合会「制度改正について」によると、60歳以上65歳未満で加入できるのは次の人です。

  • 【会社員・公務員など(国民年金の第2号被保険者)】65歳になるまで加入できる
  • 【国民年金に任意加入している人】65歳になるまで加入できる(海外に住んで任意加入している人も含む)
  • 【60歳で会社を辞め、任意加入もしていない人】加入できない(掛金は出せず、それまでの資産の運用だけを続ける)

いまのルールでは、60歳以降も厚生年金に入って働くか、国民年金に任意加入しているかで分かれます。自営業や専業主婦(主夫)の人は、60歳で国民年金の加入が終わるため、任意加入しなければ掛金を出せません。

なお、公的年金の加入期間が120月に満たない場合など、国民年金の第2号被保険者であれば65歳以上でも加入できることがあります。

iDeCoは60歳以降いつまで加入できる?12月1日から70歳になるまで、ただし老齢基礎年金を受け取ると対象外

厚生労働省「2025年の制度改正」によると、iDeCoに加入できる年齢は、2026年12月1日から70歳になるまでに引き上げられる予定です。対象は60歳以上70歳未満で、国民年金の被保険者ではない人のうち、次のどれかに当たる人です。

  • 【iDeCoの加入者】いま掛金を出している人
  • 【iDeCoの運用指図者】掛金は出さず、資産の運用だけを続けている人
  • 【企業年金からiDeCoに資産を移す人】退職などで、会社の企業年金の資産をiDeCoに移す人

ただし、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っている人は加入できません。会社の企業型確定拠出年金で、会社の掛金に自分の掛金を上乗せする「マッチング拠出」をしている人も対象外です。

また、経過措置として、施行日から3年を経過する日までは、上の3つに当たらない60歳以上70歳未満の人もiDeCoに加入できます。これまでiDeCoを使ったことがない人にも、始める道が開かれます。

iDeCoは65歳で老齢基礎年金を受け取るとどうなる?掛金は出せなくなり、繰り下げれば70歳まで続けられる

改正後の要件では、65歳で老齢基礎年金を受け取り始めるかどうかが、iDeCoを70歳まで続けられるかの分かれ目になります。厚生労働省の資料をもとに、60歳以降の受け取り方ごとに並べると次のとおりです。

  • 【65歳で老齢基礎年金を受け取り始める】iDeCoには加入できない(資産の運用だけを続ける)
  • 【老齢基礎年金を繰り下げ、老齢厚生年金だけを受け取る】iDeCoに加入できる
  • 【iDeCoの老齢給付金を受け取り始める】iDeCoには加入できない
  • 【施行日(12月1日)までに老齢基礎年金かiDeCoの老齢給付金を受け取った】iDeCoには加入できない

日本年金機構「年金の繰下げ受給」によると、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰り下げられます。増える割合は1か月あたり0.7%で、70歳まで繰り下げると42%増えます。

  • 【65歳で受け取る】老齢基礎年金は月7万608円、iDeCoの掛金は出せない
  • 【70歳まで繰り下げる】老齢基礎年金は月約10万円(約3万円増)、iDeCoの掛金は70歳になるまで出せる

※試算の前提:老齢基礎年金は令和8年度の満額(月7万608円)で、繰下げの増額率は日本年金機構「年金の繰下げ受給」の70歳時点の42%で計算。実際の年金額は年度ごとに改定される。

60歳以上70歳未満でiDeCoに加入できるか(2026年12月1日施行予定の改正後)

2026年12月1日施行予定の改正後、iDeCoの加入者・運用指図者、企業年金からiDeCoに資産を移す人は、老齢基礎年金とiDeCoの老齢給付金を受け取っていなければ70歳になるまで加入できる。老齢基礎年金を繰り下げて老齢厚生年金だけを受け取っている人も加入できる。老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取り始めた人、マッチング拠出をしている人は加入できない。経過措置として、施行日から3年を経過する日までは、それ以外の60歳以上70歳未満の人も加入できる
出所:厚生労働省「2025年の制度改正」をもとにナビプラマネー編集部作成

ただし、繰り下げている間は老齢基礎年金を受け取れません。日本年金機構によると、振替加算は増額の対象にならず、繰り下げて年金を受け取っていない間は振替加算も受け取れません。

iDeCoを60歳以降も続けると受け取りはいつから?加入している間は受け取れず、受け取り始めは75歳までに選ぶ

国民年金基金連合会「制度改正について」によると、iDeCoの老齢給付金は、60歳から75歳までの間で受け取り始める時期を選べます。ただし、選べるのは加入者でなくなってからです。

  • 【65歳になるまで掛金を出す】受け取り始めは、加入をやめてから75歳までの間で選ぶ
  • 【70歳になるまで掛金を出す(改正後)】受け取り始めは、加入をやめてから75歳までの間で選ぶため、選べる幅は約5年になる

改正後の要件では、iDeCoの老齢給付金を受け取ると加入できません。加入を続けるほど受け取りが後ろにずれるため、掛金を出す期間と、受け取る時期をあわせて考える必要があります。

【元DC講師の視点】検証

改正後のiDeCoは、公的年金の受け取り方と切り離して考えられなくなります。70歳まで掛金を出すには老齢基礎年金を繰り下げる必要があり、iDeCoを続けるかどうかを、65歳の年金の受け取り方と一緒に決めることになるからです。

60歳以降は、給与の変化も見ておきたいところです。国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」では、平均給与は55〜59歳の573.1万円から、60〜64歳で481.1万円に約16%下がり、65〜69歳では374.9万円になります。

60〜64歳の平均給与の会社員なら、掛金を改正後の上限の月6.2万円にすると、軽くなる税金は所得税と住民税で年約11.2万円です。軽くなるのは掛金の約15%で、掛金を増やした分だけ手元のお金は減ります。

※試算の前提:年収481万円の給与だけの単身の会社員で、勤務先に企業年金はない。給与所得控除は国税庁「No.1410 給与所得控除」、所得税の基礎控除は国税庁「No.1199 基礎控除」で令和8・9年分の合計所得金額489万円以下の場合の104万円(給与所得は約340.9万円)で計算し、所得税率5%(復興特別所得税を含め5.105%)、住民税の所得割10%とした。

掛金は、家計全体で見て、無理のない金額に決めることが大切だと考えています。iDeCoの資産は原則として受け取るまで引き出せず、選べる運用商品も限られるからです。

まずは、ねんきん定期便で65歳から受け取る年金の見込額と、勤務先に企業年金があるかを確認しましょう。会社に企業年金がある人は、企業年金の掛金と合わせて月6.2万円が上限になります。

まとめ

iDeCoは、いまも会社員や国民年金の任意加入者なら65歳になるまで続けられます。2026年12月1日からは、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていないなどの要件を満たせば、70歳になるまで加入できるようになる予定です。

65歳で老齢基礎年金を受け取り始めると、iDeCoの掛金は出せなくなります。70歳まで続けたい人は、老齢基礎年金を繰り下げるかどうかと、iDeCoを受け取る時期をあわせて確かめておきましょう。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の年金額や税額は、加入期間や収入、控除、お住まいの自治体によって変わります。加入の要件や掛金の上限は、厚生労働省や国民年金基金連合会の最新の情報でご確認ください。

三石 由佳
2級FP技能士株式会社モニクルリサーチ

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