「68歳の父は去年、半年ほどパートで働いていて、いまは年金だけで暮らしています。年金生活者支援給付金が12月から止まるかもしれないと聞きましたが、不該当通知とは何でしょうか」
働き方が変わった親を持つ子ども世代から、このような疑問の声が届くこともあります。
日本年金機構によると、年金生活者支援給付金は毎年、前年の所得などをもとに支給を続けるかどうかを判定し直します。2025年度の判定では、要件に当てはまらなくなった人に「年金生活者支援給付金 不該当通知書」が12月5日に送られました。
この記事では、不該当通知が届く時期と判定の仕組みを確かめます。そのうえで、冒頭の父のケースで、給付金がいつ止まり、いつ再び受け取れるのかを試算します。
【再定義】給付金は「今年」ではなく「前年」の所得で決まる
年金生活者支援給付金は、年金の少ない人の暮らしを支えるため、年金に上乗せして支給されるお金です。老齢年金生活者支援給付金の対象は、65歳以上で老齢基礎年金を受け取り、世帯全員の住民税が非課税で、前年の所得等が基準以下の人です。
2026年10月分からの基準は、1956年(昭和31年)4月2日以後生まれの人なら92万6500円以下です。このうち82万6500円以下なら老齢年金生活者支援給付金、超える人は補足的老齢年金生活者支援給付金の対象になります。
ここでいう「所得等」は、前年の公的年金等の収入金額と、その他の所得を合わせた額です。障害年金や遺族年金などの非課税収入は含まれません。
判定は1年ごとで、日本年金機構は市区町村から前年の所得の情報を受け取って確かめます。2025年度の判定は、9月30日時点で把握している世帯の状況と所得の情報で行ったと説明されています。
そのため、今年の収入が減っていても、今年の判定には反映されません。給付金は「今年いくら稼いでいるか」ではなく、「前年にいくらあったか」で決まると考えておくとよいでしょう。
【再確認】12月上旬に届く2つの通知と、不該当になる3つの理由
判定し直した結果は、10月分の給付金から反映されます。給付金は2か月分ずつまとめて支払われるため、10月分と11月分は12月の支払日に振り込まれます。
結果が変わる人には、12月上旬に通知書が届きます。2025年は12月5日、2024年は12月6日に送られました。
- 年金生活者支援給付金 支給金額変更通知書:所得額が増えたり減ったりして、給付金の額が変わる人
- 年金生活者支援給付金 不該当通知書:所得額が増えたり世帯の構成が変わったりして、支給の要件に当てはまらなくなった人
金額が変わらず、これまでと同じ額を受け取る人には、通知書は送られません。2026年度の送付日は、この記事の執筆時点では公表されていません。
年金生活者支援給付金の判定から通知・再請求までの流れ
- 9月30日時点:世帯の状況と前年の所得の情報で判定
- 12月上旬:支給金額変更通知書・不該当通知書が届く(2025年は12月5日)
- 12月の支払日:10月分・11月分から判定の結果を反映
- 翌年9月ごろ:所得が下がって新たに対象になる人に請求の案内
- 翌年10月分から:新しい判定の結果で支給(12月の支払日に振込)
では、どのような場合に不該当になるのでしょうか。日本年金機構と厚生労働省は、主な理由として次の3つを挙げています。
- 前年の所得等が基準額を超えている
- 同じ世帯に住民税が課税されている人がいる
- 年金が全額支給停止になっている
どの理由に当たるかは、不該当通知書に書かれています。通知が届いたら、まず理由の欄を見ておくと、次にすることが分かりやすくなります。
地方公務員・保険代理店出身。証券外務員二種保有。自治体で国民健康保険の賦課や高額療養費、退職に伴う年金切り替え等の実務に従事。複雑な社会保障制度に精通し、現在は株式会社モニクルリサーチが運営する複数のWebメディアで年金・貯蓄・退職金等の情報を発信。