老齢年金を受け取るには、保険料を納めた期間などを合わせた「資格期間」が10年(120月)以上必要です。厚生労働省によると、資格期間は2017年8月1日に25年から10年に短くなりました。資格期間には、年金制度に加入していなくても数えられる「カラ期間(合算対象期間)」も含まれます。
一方、厚生労働省の「令和5年国民年金被保険者実態調査」では、老齢年金を受け取るのに10年以上の期間が必要だと知っている国民年金第1号被保険者は48.0%でした。資格期間に何が数えられるか、10年に足りないときにどうするかは、人によって異なります。
本記事では、資格期間に数える期間、カラ期間の主な例、10年の納付で受け取る年金の目安、10年に足りないときに確認したいことを、厚生労働省と日本年金機構の資料から整理します。
老齢年金を受け取るには、資格期間が10年(120月)以上必要
資格期間は、次の期間を合計したものです。
資格期間に数える3つの期間
- 国民年金の保険料を納めた期間や、免除された期間
- 会社員などの期間(船員保険を含む厚生年金保険や共済組合などの加入期間)
- 年金制度に加入していなくても資格期間に加えられる期間(カラ期間=合算対象期間)
これらの合計が10年(120月)以上あると、年金を受け取れます。
「10年以上必要」を知っている第1号被保険者は48.0%
令和5年の国民年金被保険者実態調査では、老齢年金を受け取るには保険料を納めた期間と免除されていた期間を合わせて10年以上必要だということを知っている第1号被保険者は48.0%で、前回の調査より低くなっています。
老齢年金の受給資格期間に数える期間
カラ期間は、年金に加入していなかった一部の期間を資格期間に数えるしくみ
カラ期間(合算対象期間)は、資格期間には数えられますが、年金額には反映されません。
会社員の配偶者だった期間や学生だった期間など
厚生労働省の資料では、合算対象期間の例として次のような期間をあげています。
- 昭和36年4月から昭和61年3月までの間で、会社員など(被用者)の配偶者だった期間
- 昭和36年4月から平成3年3月までの間で、学生だった期間
- 昭和36年4月からの、海外に住んでいた日本人(在外邦人)の期間
- 昭和36年4月からの、国民年金に任意加入したものの保険料を納めていない期間
このほかにも合算対象期間に当たる期間があり、当てはまるかどうかは人によって異なります。
合算対象期間(カラ期間)の主な例
10年の納付で受け取る年金は、満額の約4分の1
資格期間を満たしても、受け取る年金の額は、保険料を納めた期間に応じて決まります。
40年納めると満額、令和8年度は年84万7300円
厚生労働省によると、40年間保険料を納めた人は満額を受け取れ、10年間の納付では受け取る年金額はおおむねその4分の1になります。日本年金機構によると、令和8年度の老齢基礎年金の満額は年84万7300円(昭和31年4月2日以後生まれ)です。
10年に足りないときは、記録の確認と任意加入で満たせる場合も
厚生労働省は、年金加入期間が10年未満の人でも、次のような場合に資格期間を満たすことがあるとしています。
記録の漏れ、任意加入、カラ期間
- 年金の加入記録に漏れがある
- 60歳から65歳まで国民年金に任意加入する(昭和40年4月1日以前生まれの人は70歳まで)
- 合算対象期間(カラ期間)がある
日本年金機構によると、任意加入は申し出た月からの加入で、さかのぼることはできません。
資格期間が10年に足りないときに確認したいこと
まとめにかえて
老齢年金を受け取るには、保険料を納めた期間や免除期間、厚生年金の期間、カラ期間を合わせた資格期間が10年(120月)以上必要です。一方で、10年の納付で受け取る年金は満額の約4分の1で、年金額は納めた期間に応じて決まります。
加入期間が10年に足りないかもしれない人は、加入記録の漏れやカラ期間がないか、任意加入できるかを、年金事務所で確かめましょう。カラ期間に当たるかどうかは、人によって異なります。
日本生命保険相互会社出身。元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてわかりやすく、また信頼できる記事をお届けします。