日本年金機構は2026年10月30日、「令和8年度『ねんきん月間』『年金の日』の取り組み」を公表しました。11月は「ねんきん月間」で、11月30日は「年金の日」です。ねんきんネットなどで自分の年金記録や年金の受給見込額を確かめ、高齢期の生活設計を考えるよう呼びかけています。
一方で、厚生労働省の調査では、老齢年金を受け取るには保険料を納めた期間などが10年以上必要だと知っている国民年金第1号被保険者は48.0%にとどまります。
本記事では、ねんきん月間の取り組みと、年金制度がどれくらい知られているか、ねんきんネットで確認できることを整理します。
11月は「ねんきん月間」、11月30日は「年金の日」
日本年金機構は厚生労働省と協力して、11月を「ねんきん月間」と位置づけ、公的年金制度の普及・啓発に取り組んでいます。11月30日の「年金の日」は、平成26年に「いい(11)みらい(30)」の語呂合わせから制定されました。
全国で出張年金相談やセミナー
ねんきん月間の期間中は、市区町村役場や大学、商業施設などで、年金事務所の職員による出張年金相談や年金セミナーが行われます。各年金事務所の取り組みは、日本年金機構のホームページに地域別の一覧で掲載されています。
SNSで毎営業日、制度や手続きを発信
日本年金機構の公式X(旧Twitter)とFacebookでは、11月の毎営業日に「知っておきたい年金のはなし」として、公的年金制度や手続きの案内を発信します。年金クイズも毎週出題され、次回は11月9日(月)に更新される予定です。
令和8年度「ねんきん月間」「年金の日」の主な取り組み
「老齢年金は10年以上の加入が必要」を知っている人は48.0%
厚生労働省の「令和5年国民年金被保険者実態調査」では、国民年金第1号被保険者に、年金制度をどれくらい知っているかを尋ねています。
受給の条件を知っている人は半数を下回る
老齢年金を受け取るには、通常、保険料を納めた期間と免除されていた期間を合わせて10年以上が必要です。このことを知っている人は48.0%で、前回の調査より低くなりました。
満額の年金を受け取るには40年間保険料を納める必要があり、納めた期間が短ければその分受け取る額が少なくなることを知っている人は62.2%でした。
納付猶予制度を知っている人は32.1%
経済的に保険料を納めるのが難しいときの制度では、保険料の免除制度を知っている人が73.0%だったのに対し、50歳未満の人が使える納付猶予制度を知っている人は32.1%でした。保険料をまとめて前払いすると割引される前納制度は56.4%、口座振替で当月末に引き落とす早割制度は35.2%です。
国民年金第1号被保険者が年金制度を知っている割合(令和5年)
ねんきんネットの利用者は1300万人。記録と見込額を確認できる
年金の日に確認が呼びかけられている「ねんきんネット」は、パソコンやスマートフォンから24時間いつでも使えるインターネットサービスです。厚生労働省によると、利用者は1300万人に達しています。
年金記録の一覧と見込額の試算
ねんきんネットでは、年金の加入履歴や保険料の納付額、年金見込額を一覧で確認できます。「かんたん試算」では、今の働き方や収入が60歳まで続くとして計算した年金見込額を、ワンクリックで試算できます。
電子版の「ねんきん定期便」を見たり、公的年金等の源泉徴収票や社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の再交付を申請したりすることもできます。
マイナンバーカードがあればマイナポータルから登録
ねんきんネットは、マイナンバーカードがあればマイナポータルから利用登録ができます。マイナンバーカードを持っていない場合も、日本年金機構のウェブサイトから登録できます。
登録不要で将来の年金額を簡単に試算できる厚生労働省の「公的年金シミュレーター」もあります。日本年金機構は、個人の記録に基づくより詳しい試算はねんきんネットを使うよう案内しています。
ねんきんネットでできること
まとめにかえて
11月は「ねんきん月間」で、11月30日は「年金の日」です。日本年金機構は10月30日に今年度の取り組みを公表し、全国での出張相談やSNSでの発信を行います。
一方、厚生労働省の調査では、老齢年金を受け取るのに10年以上の期間が必要だと知っている第1号被保険者は48.0%、納付猶予制度を知っている人は32.1%にとどまっています。
年金の日をきっかけに、ねんきんネットで自分の加入期間や年金見込額を確かめておきましょう。制度や手続きでわからないことは、年金事務所や日本年金機構の案内で確認できます。
日本生命保険相互会社出身。元マネースクール講師、現役FP(CFP®・1級FP技能士)でJ-FLEC認定アドバイザー。保険から年金、資産運用まで幅広い知見を持ち、「お金の先生」としてわかりやすく、また信頼できる記事をお届けします。